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椿姫というオペラはビオレッタとアルフレード、2人の愛の物語です。

ビオレッタはパトロンと豪華な生活をしている高級娼婦でアルフレードは青年貴族です。

 

第一幕

物語はビオレッタの自宅のパーティの場面から始まります。

ビオレッタは様々な色恋を経験してきました。

そんなビオレッタにとってアルフレードは明らかに恋愛経験が少ない小僧で、およそ恋愛に発展しなさそうにみえます。

しかし、ビオレッタはアルフレードを本気で愛してしまいます。

なぜ、ビオレッタはアルフレードを本気で愛してしまったのか?

ビオレッタのこれまでの色恋の男性たちがビオレッタに求めたのは一夜限りの関係であったりお金であったりステータスであったり、

真の愛とは程多いものでした。

しかし、アルフレードが求めたものは真の愛でした。

アルフレードの求愛を最初は軽くあしらうビオレッタですが、

”こんな生活をしてはいけない”

”1年前から貴女が好きでした”

と言うアルフレードの真剣さにビオレッタは徐々に心惹かれ、ビオレッタもアルフレードを本気で愛するようになります。

 

ビオレッタの心を射止めたのはアルフレードの真剣で真っすぐな愛でした。

それまで何か裏で魂胆があるような歪んだ恋愛を繰り返してきたビオレッタからすると、アルフレードの真剣で真っすぐな愛はとても新鮮で、

しかしビオレッタが実は待ち望んでいた愛であったのだと思います。

 

第2幕1場

ビオレッタはパトロンとの豪華な生活を捨て、アルフレードと静かな生活をするようになるのですが、

ここである事件が発端で2人の愛に亀裂が生まれます。

アルフレードが居ない時にビオレッタの前にアルフレードの父ジェロモンが現れます。

ジェロモンはビオレッタにアルフレードと別れるように迫りますが、ビオレッタは拒否します。

しかしジェロモンは

”アルフレードの妹の結婚に差しつかえが出るから助けてほしい”

と嘆願しビオレッタは泣く泣く要求を受け入れます。

そしてビオレッタは単純に別れ話を持ち出してもアルフレードは納得してくれないからと思い、

アルフレードに手紙を書きます

その手紙には

”貴方と別れて元のパトロンとの生活に戻ります”

と書いてありました。

途中アルフレードが帰宅し、ビオレッタは

”お父様がいらっしゃるなら私は席を外します”

と言い、その場を去ります。

ビオレッタの様子に不安を覚えたアルフレードはビオレッタの残した手紙を読み、裏切られたと激高しビオレッタの後を追いかけます。

 

父ジェロモンがなぜビオレッタに別れ話を持ち出したのか?

それは単純に家柄や息子を想ってという事が容易に想像できますが、その真意は分かりません。

ただこの場面で感じる事とはアルフレードとビオレッタの愛し方の違いです。

あまりにも直球な愛し方のアルフレード、若さゆえの愛し方は、それゆえ周りが見えていない行動をとってしまいます。

一方ビオレッタはアルフレードに比べて大人です。

それゆえ愛し方も熟練されています。

しかし熟練しているが故、先読み行動過ぎて後々のトラブルを招いてしまいます。

最初は噛み合っていたビオレッタとアルフレードの愛は、父ジェロモンの一件で徐々に噛み合わなくなっていきます。

 

第2幕2場

アルフレードの元を去ったビオレッタは元のパトロンと仮面舞踏会にいました。

アルフレードは仮面舞踏会に乗り込み、ビオレッタに復縁を迫りますがビオレッタは拒否します。

激高したアルフレードはその場にいる皆を集め、ビオレッタを侮辱し中傷します。

大勢の前で侮辱し中傷されたビオレッタはその場に倒れこんでしまいます。

その後ジェロモンが現れ息子アルフレードの愚行を諫め、アルフレードも自分の行いを恥じます。

 

この場面で感じる事は愛の変貌と愛の脆弱さです。

特にアルフレードの愛は、もはや愛ではなく怒りや恨み、憎悪に変貌していまっています。

ビオレッタに関してはアルフレードのように怒りや恨み、憎悪に変貌していませんが、

自分の愛が相手に伝わらない現状に苦しんでいるように感じます。

お互いの愛を確認でき、通じ合っているからこそ愛は尊く素晴らしいものであって、

一方でも通じていなければ、それは悲劇に変わる。

愛とは実はそういった脆弱でもろい側面をもっているという事をこの場面で教えられます。

 

第三幕

仮面舞踏会から数か月後、国外にいたアルフレードはジェロモンから手紙でビオレッタとの交際を許されます。

急いでビオレッタの元に戻ろうとするアルフレード

しかしビオレッタは結核を患い死の淵にいました。

ようやく再会したビオレッタとアルフレード

二人は田舎で楽しく暮らそうと語りますが、その後ビオレッタは倒れ伏してしまいます。

ビオレッタは最後の力を振りしきり、アルフレードに自分の肖像を託し、

”いつか好きな人ができたら、これを渡してね”

そして

”不思議 新しい力が湧いてくる!”

と言い最期を迎えます。

 

椿姫はこういった内容で、こういった幕切れを迎えるオペラですの悲劇と呼ばれます。

しかし単純に悲しいだけの物語ではないように感じます。

2人は真剣に愛し合いました。

途中、愛し方の違いで衝突し、悲しい出来事が生まれました。

アルフレードの若さゆえの未熟な愛し方。

ビオレッタの大人の成熟した愛し方。

同じ愛ではありますけど、形が少し違う。

故に噛み合っているときは良いけど、いったん噛み合わなくなると、愛が怒りや恨み、憎悪に変わる。

愛は素晴らしいものだけど、実は怒りや恨み、憎悪と表裏一体であるという事をこの椿姫というオペラでは語られているように感じます。

仮面舞踏会の一件の後もアルフレードとビオレッタはお互いを想い、愛し合ってビオレッタの最期を迎えました。

ビオレッタの最期は悲しいけど、最後まで愛し合ったという意味では、椿姫はハッピーエンドなのかもしれませんね☆

 

 
 
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