60代になって、声がかすれる・声が出にくい・高音が苦しいと感じていませんか。
「もう年齢のせいだから仕方ない」とあきらめかけていませんか。
60代からボイストレーニングを始めても遅くありません。
声の問題が起こる本当の原因は、加齢とは別のところにあり、その原因を見直していけば60代からでも声は変えていけるからです。
この記事では、60代の声の悩みの本当の原因と、声が変わる理由、無理なく続けるための考え方をお伝えします。
目次
60代の方に多い声の悩みと、その本当の原因
ここでは、60代の方の声の悩みと、加齢の影響、そして本当の原因を順に見ていきます。
60代の方に多い声の悩み
60代になると、次のような声の悩みを感じる方が増えてきます。
- 声がかすれる
- 大きな声が出にくい
- 高音が苦しい
- 話すと喉が疲れる
- カラオケで歌いにくい
こうした悩みが出てくると、多くの方は「もう年齢のせいだから仕方ない」と感じてしまいます。
ですが、年齢を重ねても声をよく保っている方は多くいらっしゃいます。それは声には、年齢を重ねても整えていける仕組みがあるからです。
声の悩みを年齢のせいと決めてしまう前に、本当の原因を知っておくことが大切です。
加齢による声の変化はある
年齢を重ねると、声に関わる体の状態にも変化が出てきます。代表的なものは次の2つです。
- 声帯の変化:声帯の粘膜の水分量が減り、声がかすれやすくなる
- 姿勢の変化:猫背になりやすく、呼吸が浅くなりがちになる
これらの変化は加齢の影響として実際にあります。声の悩みの一部はここから生じます。
ただし、声の悩みには加齢とは別のところに本当の原因がもう一つあります。それを次に見ていきます。
加齢による声の変化をさらに詳しく知りたい方は、声の老化の真実も参考になります。
本当の原因は呼吸の筋肉が動いていないこと
声は、呼吸と喉が一緒に作っているものです。息が流れてくるからこそ、喉は無理なく声を出すことができます。
ところが、多くの方は声を出す時に、呼吸の筋肉が十分に動いていません。呼吸の筋肉が動かないと、息の流れが弱くなり、喉だけで声を無理やり出そうとします。すると、喉に余計な力が入りやすくなります。
喉に余計な力が入った状態が続くと、声がかすれる、通りにくい、高音が苦しい、話すと疲れるといった悩みにつながります。60代の方が抱えやすい声の悩みは、ここから来ています。
つまり、声の悩みの本当の原因は、加齢そのものよりも、声を出す時に呼吸の筋肉が十分に動いていないことにあります。
60代になると呼吸の筋肉が動かなくなる理由
60代になると、なぜ呼吸の筋肉が動かなくなるのか。理由は、加齢そのものよりも生活の中で起こる変化にあります。
生活の中で大きな声を出す機会が減る
60代になると、大きな声を出す場面が生活の中からほぼ消えていきます。
- 子育てが終わると、子どもに大きな声で呼びかける機会がなくなる
- 仕事を引退すると、会議や指導で声を張る場面がなくなる
- 地域の集まりや趣味の場でも、自分が大きな声を出す立場ではなくなることが多い
若い頃には自然にあった「呼吸の筋肉を強く使う場面」が、ほとんどなくなっていきます。
呼吸の筋肉は、大きな声を出す時に強く動きます。そのため、大きな声を出さない生活が続くと、呼吸の筋肉を強く動かす場面そのものがなくなります。
これが何年もかけてゆっくり進むため、本人も気づきにくいまま、呼吸の筋肉が動かない時間が長くなっていきます。
喉だけで声を出す癖が長年積み重なる
呼吸の筋肉を使わずに済む生活が長く続くと、別の問題も出てきます。喉だけで声を出す癖がついていくことです。
普段の会話は小さな声で伝わります。呼吸の筋肉をしっかり使わなくても、喉だけで声を作ることができてしまいます。
この状態が何十年も続くと、声を出す時に呼吸の筋肉が動くより先に、喉が頑張ろうとするパターンが体に染み付きます。これが「喉だけで声を出す癖」です。
60代の声の悩みは、長年積み重なった「喉だけで声を出す癖」が、声を張る場面の減少と重なって、表に出てくる結果でもあります。
喉だけで声を出す癖の直し方を知りたい方は 喉で歌わない方法|喉で歌ってしまう原因と改善法 も参考になります。
呼吸の筋肉は、動かしていけば応えてくれる
ここで大切なのは、呼吸の筋肉そのものは健在だという点です。
呼吸の筋肉は、生活の中で大きな声を出す機会がなく、喉だけで声を出す癖が積み重なった結果、動かない時間が長くなっているだけです。筋肉そのものは残っています。
使われていない筋肉は動きが鈍くなりますが、動かす習慣を取り戻していけば、筋肉は応えてくれます。
これが、60代から始めても遅くないと言える理由です。動いていないだけなら、動かす状態を取り戻すことができます。60代の方の呼吸の筋肉は、ほとんどの場合、この状態にあります。
60代からのボイストレーニングで実感しやすい変化
60代からボイストレーニングを始めると、どんな変化が実感できるのか。すぐに大きく変わるものではありませんが、続けていく中で少しずつ感じられる変化があります。ここでは、実感しやすい変化を4つの観点でお伝えします。
声の出しやすさの変化
60代からボイストレーニングを始めると、まず感じやすいのは、声の出しやすさの変化です。
- 声の出だしがスムーズになる
- 声がかすれにくくなる
- 大きな声を無理に張らなくても声が通る
呼吸の筋肉が少しずつ動く状態に戻ると、息の流れが安定してきます。すると、喉だけで声を無理やり出そうとする状態が減り、喉に余計な力が入りにくくなります。
その結果、声の出だしがスムーズになったり、これまで感じていたかすれが軽減したりと、日常の会話で違いを感じやすくなります。
声のかすれを詳しく知りたい方は、ご高齢者の方が声がかすれる原因と改善方法も参考になります。
高音や声の響きの変化
高音が出にくいと感じる60代の方は多くいらっしゃいます。高音の出しやすさも、呼吸の筋肉が動くようになると変化が出てきます。
- 高い声を出す時の苦しさがやわらぐ
- 声がこもる感じが少しずつ減る
- 無理に押し上げる感覚が減る
これまで高い声を出そうとすると喉に余計な力が入っていた方が、ボイストレーニングを続けていく中で、前よりラクに声を上げられるようになることがあります。
高音の幅は少しずつ広がっていきます。高い声を出す時の苦しさが軽減し、無理に押し上げる感覚が減ることで、歌いやすさは大きく変わります。
また、声がこもる感じが少しずつ減り、響きを感じやすくなることもあります。これは、息の流れに声が乗りやすくなることで生まれる、自然な響きの変化です。
呼吸の筋肉が動くようになると、息の流れに高い声が乗りやすくなり、無理なく出せる方向へ変わっていきます。
高音と響きの関係を詳しく知りたい方は 高音は出るけど響かない原因を解消する3つのポイント も参考になります。
会話と歌の両方で感じる変化
ボイストレーニングで感じる変化は、歌の場面でも、日常の会話でも、どちらでもはっきりと感じられます。
会話で感じる変化:
- 長く話しても喉が疲れにくくなる
- 電話で前ほど力まなくても声が通る
- 小さすぎたり張り上げすぎたりが減る
歌う時に感じる変化:
- 息が続きやすくなり、フレーズを途中で切らずに歌える
- 歌っている途中の喉の苦しさがやわらぐ
- 歌い出しが前より安定する
会話でも歌でも、変化が出る理由は同じです。呼吸の筋肉が動くようになることで、喉に頼らずに声が出せるようになるからです。喉の負担が減るぶん、会話も歌も前よりラクに感じられます。
カラオケで声が出ないという悩みを詳しく知りたい方は、カラオケで声が出ないのは加齢のせい?60代から始める呼吸を整えるボイトレも参考になります。
気持ちと日々の過ごし方の変化
声が少しでも出しやすくなると、気持ちや日々の過ごし方にも変化が出てきます。
声が出にくい状態が続くと、人と話すこと、人前で歌うこと、地域の集まりに出ることに気後れしやすくなります。「自分の声で大丈夫だろうか」という不安が、行動を狭めていきます。
ボイストレーニングで声が少しずつ出しやすくなってくると、この不安が軽くなります。
- 家族や知人との会話に身構えなくなる
- 電話に出る時の心の負担が減る
- カラオケや集まりに前より参加しやすくなる
- 「もう少しできるようになるかもしれない」という気持ちが戻ってくる
これは「自分はまだ変わっていける」という実感につながります。声を整えていくことは、毎日の過ごし方を前向きにしていく土台にもなります。
60代からのボイストレーニングを無理なく続けるための考え方
60代からボイストレーニングを始めようと思っても、続けられるか不安に感じる方は多いかもしれません。続けるためには、自分に合う取り組み方を見つけることと、無理のないペースで進めることが大切です。
無理なく長く続ける方法を考えたい方は シニア向けカラオケ教室のメリットと選び方|無理なく長く続けるために も参考になります。
ここでは、無理なく続けるための考え方を3つお伝えします。
無理なく始められる状態で取り組む
最初は、無理のない範囲で取り組むことが大切です。頑張りすぎてしまうと、声の変化を感じる前に疲れや負担の方が大きくなり、続けにくくなります。
大切なのは、自分が続けられる形で始めることです。
- 短い時間から始める
- 一つの取り組みだけに絞る
- 毎日同じようにできない日があっても続けていく
調子がよく声が出る日もあれば、思うようにいかない日もあるのが自然です。できる範囲で続けていく方が、結果として変化につながりやすくなります。
生活の中に声を出す習慣を取り入れる
続けやすい方には共通点があります。練習を生活の中に自然に入れていることです。
まとまった時間を取れない日があっても、日常の中で少しでも声を出す習慣があると、完全に止まりにくくなります。たとえば次のような取り組みです。
- 朝のあいさつを少し意識して声に出す
- 短い文章を音読する
- 好きな歌を少しだけ口ずさむ
声を出すことを生活から切り離さないことが大切です。声は、使わない期間が長いほど出し方の感覚が遠のいていきます。少しでも声に触れる時間があれば、ボイストレーニングの効果は続きやすくなります。
毎日の中で無理なく声を出す習慣の作り方を詳しく知りたい方は、ご高齢者の方こそ「声を出す」習慣を!知られざる健康効果と毎日続けるコツも参考になります。
小さな変化を見つけながら続ける
続かない理由の一つは、変化が見えないと感じてしまうことです。実際には、声は小さな変化を積み重ねながら少しずつ整っていくものです。
- 昨日より声の出だしがラクだった
- 会話のあとに前ほど疲れなかった
- 少し高い音が以前ほど苦しくなかった
こうした変化は小さく見えますが、続けていくうえでとても大切です。「自分にもまだ変わる余地がある」という実感が、続ける力になります。
続けやすくなる視点は、今の自分の中で何が変わったかに目を向けることです。「今日は声が出しやすかった」「電話が前よりラクだった」と一言メモに残すだけでも、自分の変化に気づきやすくなります。
そして、自分が好きだと感じる要素を大切にしてください。好きな歌がある、こんな声になりたいと思える声がある、声を出しやすい時間帯がある。そうした「好き」があると、ボイストレーニングは自然に取り組みやすくなります。
60代からのボイストレーニングまとめ
声は呼吸と喉が一緒に作っているものです。60代の声の悩みは、加齢そのものよりも、声を出す時に呼吸の筋肉が十分に動いていないことから起きています。呼吸の筋肉が動かないと、喉に余計な力が入り、声がかすれる・通りにくい・高音が苦しい・話すと疲れる状態につながります。
ここで大切なのは、呼吸の筋肉そのものは健在だという点です。生活の中で使われていないだけで、筋肉そのものは残っています。動かす習慣を取り戻していけば、筋肉は応えてくれます。
だから、60代からボイストレーニングを始めても遅くありません。声が出やすくなることは、日常の会話、好きな歌、人と関わる場面の安心感まで広く影響していきます。
大阪で60代の方を多く指導してきた経験から、60代から始めて声が変わっていく方を多く見てきました。今のご自分の声に向き合うことから、新しい一歩を始めてみてください。
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