シニア向けボイストレーニングで声量アップ！声量が出ない悩みを無理なく解消する方法

年齢を重ねるにつれて、「声が小さくなった」「話していて聞き返されることが増えた」と感じていませんか？

特にシニア世代の方にとって、声の変化は思った以上に日常生活に影響を与えるものです。

カラオケで以前のように思い切り歌えなかったり、会話中に自分の声が通らなくなったりすると、不安やストレスにもつながりますよね。

しかし、「もう年だから」とあきらめる必要はありません。

正しい方法でボイストレーニングを行えば、シニアの方でも無理なく声量を取り戻すことができます。

この記事では、加齢によって弱くなった声を優しくサポートしながら、自然な声の力を引き出すためのトレーニング方法をご紹介します。

ご自分のペースで少しずつ続けられる内容ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

シニアの方が「声量が出ない」と感じる主な原因

 

声帯の筋力の衰え

声は、のどの中にある「声帯（せいたい）」という小さな筋肉がふるえることで出ています。

声帯は、ゴムのようにピンと張ったり、ゆるんだりしながら、いろいろな高さや大きさの声を作っています。

ところが、年を重ねると体の筋肉が弱くなるように、声帯も少しずつ力がなくなってきます。

特に、毎日大きな声を出す機会が少なかったり、話す時間が短かったりすると、声帯のまわりの筋肉も使われなくなって、さらに弱ってしまいます。

このように声帯がうまく閉じなかったり、すき間ができたりすると、しっかりとした声が出にくくなります。

息がもれて、かすれたような小さな声になってしまうこともあります。

つまり、シニアの方が「声量が出ない」と感じる原因のひとつは、声を出す筋肉である声帯の力が弱くなっているためなのです。

呼吸筋の低下（息の支えが弱くなる）

声を出すときには、まず息をしっかりと体の外に出すことが大切です。

このときに使われるのが、お腹や胸のまわりの「呼吸筋（こきゅうきん）」と呼ばれる筋肉です。

呼吸筋は、息を吸ったり吐いたりするたびに働いていて、声を出すときには、息の量や強さをコントロールしています。

とくに歌うときや大きな声を出すときには、お腹の力でしっかり息を支えることが必要になります。

しかし、年を重ねると筋肉全体の力が少しずつ弱くなっていきます。

お腹の筋肉やあばらのまわりの筋肉も例外ではなく、息を強く押し出す力が落ちてしまいます。

その結果、声に必要な「支え」が足りなくなり、息が弱くて声が小さくなってしまいます。

また、息がうまくコントロールできなくなることで、声が途切れたり、不安定になったりすることもあります。

このように、呼吸に使う筋肉が弱くなることが、シニアの方が「声量が出ない」と感じる原因のひとつなのです。

共鳴の減少

声は、のどで作られた音が、口や鼻の中を通って響くことで、大きく聞こえるようになります。

この響きを「共鳴（きょうめい）」と呼びます。

声がよく響いていると、力を入れすぎなくても通る声やはっきりした声になります。

反対に、共鳴がうまくできていないと、声がこもったり、小さく聞こえたりしてしまいます。

年を重ねると、口の開き方が小さくなったり、あごや舌の動きがゆるやかになったりします。

また、背中が丸くなって姿勢が悪くなると、のどや胸の空間もせまくなり、声が響きにくくなってしまいます。

さらに、鼻やのどのまわりの筋肉も弱くなると、共鳴に使う空間がしっかり広がらなくなります。

そのため、声を前に飛ばす力が弱まり、声の通りも悪くなってしまいます。

このように、共鳴がうまくいかなくなることが、シニアの方が「声量が出ない」と感じる大きな原因のひとつです。

 

 

 

 

間違った声の出し方が、さらに声量を弱めてしまうことも

 

無理に力を入れて喉声になる

大きな声を出そうとして、のどに力を入れてしまう人がいます。

たとえば、怒っているときのように、首のまわりの筋肉がグッとかたくなるような声の出し方です。

このようにのどをしめるような出し方を「喉声（のどごえ）」といいます。

喉声になると、一見大きな声が出ているように感じるかもしれませんが、実はとても不自然で、声帯にも大きな負担がかかっています。

のどに力が入りすぎると、声帯がかたくなり、うまくふるえなくなってしまいます。

その結果、声がかすれたり、途中で途切れたりして、かえって声量が出にくくなります。

また、のどだけに頼った声は共鳴も弱くなるため、声が遠くまで届かなくなってしまいます。

本来は、お腹の力や息の流れを使って出すのが、体にやさしく安定した発声の方法です。

つまり、無理に力を入れてのど声になると、声帯や周りの筋肉に負担がかかり、逆に声量が出にくくなるのです。

 

 

 

息が漏れるだけの発声になっている

声は、息を吐きながら声帯（せいたい）という筋肉をふるわせることで出ています。

この声帯がしっかり閉じていないと、息だけが外に抜けてしまい、音になりにくくなります。

たとえば、「はぁ〜」とため息をつくように話していると、声にならずに息が漏れてしまうことがあります。

このような状態では、声帯がしっかり働いていないため、声に力が入りません。

息が多く出ているようでも、音に変わる量が少ないため、声が小さく聞こえたり、かすれたりします。

このような出し方は、のどや声帯に負担をかけずに話そうとしているつもりでも、かえって疲れやすくなります。

また、必要以上に息を使ってしまうため、すぐに息切れしてしまう原因にもなります。

息が漏れるだけの発声では、声が遠くまで届かず、相手に伝わりにくくなってしまいます。

つまり、声帯がきちんと閉じずに息が漏れるだけの発声になっていると、声量が弱くなってしまうのです。

 

 

長年のクセで間違った発声が身についている

人は毎日の会話や生活の中で、知らないうちに自分の声の出し方にクセがついていきます。

このクセが体に合っていれば問題ありませんが、間違った発声が続くと、それが習慣になってしまいます。

 

たとえば、いつも小さな声で話していたり、のどに力を入れて話していたりすると、それが「当たり前の声の出し方」だと体が覚えてしまいます。

そうなると、無意識のうちに、正しい発声とはちがう方法で声を出し続けてしまうのです。

 

間違ったクセがついたままでは、声帯や呼吸の使い方がうまく働かず、声に力が入りにくくなります。

その結果、どれだけ頑張って声を出しても、声量が出なかったり、すぐに疲れてしまうことがあります。

 

また、クセが長年続いていると、自分では間違いに気づきにくく、修正するのにも時間がかかります。

つまり、長年のクセで間違った発声が身についてしまうと、自然な声が出にくくなり、声量も弱くなってしまうのです。

 

 

 

 

ボイストレーニングを受けるメリット

声の悩みが根本から改善される

声に関する悩みは、人それぞれちがいます。

声が小さい、通らない、かすれる、すぐ疲れるなど、さまざまな問題があります。

 

これらの悩みは、年齢や生活習慣、体の使い方のクセなど、いろいろな原因が重なって起きていることが多いです。

そのため、自分ひとりで声の出し方を直そうとしても、なかなか思うように改善できないことがあります。

 

ボイストレーニングでは、専門の先生が声の出るしくみを理解したうえで、その人の体の使い方やクセをていねいに見てくれます。

そして、表面だけではなく、声の悩みの「根本（こんぽん）」にある原因を見つけて、そこから改善していく方法を教えてくれます。

 

たとえば、ただ「もっと大きな声を出して」と言われるのではなく、「息の使い方をこう変えてみましょう」など、具体的で体に合った指導が受けられます。

そのため、少しずつ体の使い方が変わり、本来の声の力を取り戻すことができます。

 

このように、ボイストレーニングを受けることで、声の悩みを根本から解決できるのです。

話すことや歌うことに自信が持てる

声が小さかったり、かすれたりして思うように出せないと、人と話すことや歌うことが不安になります。

「聞き返されたらどうしよう」「うまく歌えなかったら恥ずかしい」と感じて、声を出すこと自体をためらってしまう人もいます。

でも、ボイストレーニングを受けることで、声の出し方が少しずつ変わっていきます。

お腹からしっかり息を使って出す方法や、のどに負担をかけない話し方などを学ぶことで、声が安定してきます。

以前は出しにくかった音が出るようになったり、大きな声で話しても疲れにくくなったりすると、気持ちにも変化が出てきます。

「ちゃんと声が出た」「相手に伝わった」と感じる経験が、自信につながっていくのです。

少しずつでも成果が出てくると、もっと声を出したくなり、人と話すことやカラオケで歌うことが楽しみになります。

その楽しさが、さらに声の成長につながります。

このように、ボイストレーニングを続けることで、話すことや歌うことに対する自信が自然と育っていくのです。

健康にも良い（誤嚥防止、脳の活性化など）

ボイストレーニングは、ただ声をきれいに出すためだけの練習ではありません。

正しく声を出すことは、健康にもとても良い影響をあたえてくれます。

たとえば、声を出すときには、息をコントロールしたり、お腹に力を入れたりします。

この動きが、のどのまわりやお腹の筋肉をしぜんに使うことになり、誤嚥（ごえん）を防ぐ力を高めてくれます。

誤嚥とは、食べ物や飲み物が気管に入ってしまうことです。

高齢になるとこの力が弱くなりますが、声を出す練習でその筋肉をきたえることができます。

また、歌をうたったり、話す内容を考えたりすることで、脳もたくさん使います。

歌詞を覚えたり、音程をとったりする作業は、脳の活性化（かっせいか）にとても役立ちます。

さらに、人と話したり、声を出すことで気持ちも明るくなり、気分のリフレッシュにもなります。

このように、ボイストレーニングは、声だけでなく体と心の健康にも良い影響を与えてくれるのです。

一人では気づきにくい発声のクセをプロが指導

声の出し方には、人それぞれの「クセ」があります。

たとえば、のどに力が入りすぎていたり、口の開き方が小さかったりしても、自分ではなかなか気づけないことが多いです。

 

毎日の生活の中で身についてしまったクセは、長いあいだ無意識のうちにくり返されているため、自分では「ふつう」だと思ってしまうのです。

でも、そのクセが声を出しにくくしていたり、声量が出ない原因になっていることもあります。

 

そこで役立つのが、ボイストレーニングです。

プロの先生は、体の使い方や声の出し方をしっかりと見て、どこに問題があるかを見つけてくれます。

 

たとえば、「息の流れが弱いですね」や「口の形を少し広げてみましょう」といったアドバイスをくれることで、正しい発声に近づけるのです。

一人では気づけないクセも、先生のサポートがあれば少しずつ直すことができます。

このように、ボイストレーニングでは、プロがていねいに指導してくれることで、声のクセを改善することができるのです。

 

 

 

 

シニアでもできる！声量を改善するためのボイストレーニング

丹田を意識した発声法

丹田（たんでん）は、おへその少し下にある、体の中心にあたる場所のことです。

この部分を意識して声を出すと、体の内側からしっかりと声を支えることができ、自然に声量がアップします。

まずは、以下の手順で練習してみましょう。

【1】リラックスして立つまたは座る
背筋を伸ばし、胸や肩に力を入れず、自然な姿勢をとります。
できれば立ったほうが呼吸がしやすいですが、椅子に座ってもかまいません。

【2】両手をおへその下にあてる
ここが「丹田」の位置です。
声を出すときに、この部分に力が少し入るのを感じることが大切です。

【3】「スー」と息を吐く練習をする
口をすぼめて、「スー」と細く長く息を吐きます。
このとき、お腹（丹田まわり）に軽く力が入っているのを意識しましょう。

【4】短く「ハッ」と声を出してみる
息を吐くときに、「ハッ、ハッ」と短く出してみます。
声というより、お腹から空気を出す感じでOKです。
丹田のあたりがポンと動くように、リズムよく行いましょう。

【5】実際に声を出してみる
今度は「アー」と声を出します。
お腹から支えるようにして、のどに力を入れず、まっすぐ前に声を飛ばすように意識します。
最初は小さな声でも大丈夫です。お腹の支えを感じながら、少しずつ声を大きくしていきましょう。

 

 

呼吸トレーニング（深い呼吸を習得）

声を出すためには、しっかりとした「息の力」が必要です。

そのために大切なのが、「深い呼吸」を身につけることです。

ここでは、のどに負担をかけず、安定した声につながる呼吸の練習方法をご紹介します。

 

【1】姿勢を整える
まずはリラックスした姿勢をとりましょう。
背筋をまっすぐにして、肩の力を抜きます。
イスに座る場合は、背もたれにもたれず、浅く腰かけるのがコツです。

【2】おへその下に手を当てる
お腹に手を当てることで、息がどこに入っているかを感じやすくなります。
深く呼吸をするためには、胸よりもお腹がふくらむように息を吸うことがポイントです。

【3】ゆっくり鼻から息を吸う
鼻から静かに息を吸い、お腹がふくらむのを手で感じましょう。
肩が上がらないように注意してください。
目安として、3〜4秒かけて息を吸います。

【4】口から長く吐く
次に、口を小さく開けて「スー」と音を立てながら、ゆっくり息を吐きます。
このとき、お腹がへこんでいくのを感じながら、8〜10秒かけて吐いてみましょう。
無理のない範囲でOKです。

【5】慣れてきたら「声」をのせてみる
慣れてきたら、「アー」と小さく声を出しながら吐く練習もしてみましょう。
息の流れに声を乗せることで、安定した発声が身についていきます。

 

このような呼吸トレーニングを続けることで、息の量やコントロール力が高まり、声量アップにつながります。

毎日3分でも続けることで、確実に変化が感じられるはずです。

シニアの方でも無理なくできるので、ぜひ習慣にしてみてください。

 

 

共鳴を高める練習（響く声に）

声を大きく遠くまで届かせるためには、ただ強く出すだけでなく、「響き」がとても大切です。

この響きは、口や鼻、のどの空間に音を振動させることで生まれます。

これを「共鳴（きょうめい）」といいます。

共鳴をうまく使えるようになると、のどに力を入れずに、通る声が出せるようになります。

ここでは、共鳴を高めるための簡単なトレーニングを紹介します。

【1】ハミング（鼻歌）の練習
「ん〜」という鼻歌のような音を出してみましょう。
口を閉じて、鼻の奥がジーンと振動するのを感じられればOKです。
無理に大きな声を出さず、やさしく響きを感じることが大切です。

【2】口の中の空間を広げる練習
口を大きく開けるだけでなく、あくびをするように、のどの奥もゆったりと開けてみましょう。
そのまま「アー」と声を出すと、声がのどや頭の中に響く感覚がつかめます。
鏡を見ながら練習すると、口の形が確認しやすいです。

【3】母音（あ・い・う・え・お）をゆっくり発声
それぞれの母音を、一つひとつはっきりと発音してみましょう。
「アー」「イー」「ウー」など、声をまっすぐ前に出すように意識します。
特に「イ」「エ」は鼻や顔の前の方、「オ」「ウ」は口の奥の響きを感じるようにしましょう。

【4】壁に向かって声を出す
壁の近くに立ち、30cmほどの距離で「アー」と声を出してみましょう。
壁に響いて返ってくる自分の声を感じることで、共鳴の練習になります。

 

このようなトレーニングを繰り返すことで、自然と響きのある声が身につきます。

のどに頼らず、体の中で音が響く感覚を大切にしながら練習するのがコツです。

無理をせず、毎日少しずつ続けてみてください。

 

 

無理なく続けられるストレッチ・姿勢改善

声をしっかり出すためには、のどやお腹だけでなく、「姿勢」がとても大切です。

体がゆがんでいたり、背中が丸くなっていたりすると、息がスムーズに流れず、声も出にくくなってしまいます。

 

ここでは、シニアの方でも安心してできる、簡単なストレッチと姿勢の整え方をご紹介します。

 

【1】背中を伸ばすストレッチ
イスに座ったままでもできる方法です。
両手を頭の上で組んで、ゆっくりと上に引き上げるように伸ばしましょう。
そのまま3秒キープして、ゆっくり戻します。これを3回くり返します。
背すじが自然に伸びて、胸も広がります。

【2】肩回しでリラックス
両肩を軽く持ち上げて、後ろに大きく回します。
ゆっくり5回まわしてから、前にも5回まわしましょう。
肩や首まわりの力が抜けると、呼吸もしやすくなります。

【3】正しい姿勢を意識する
立つときも座るときも、背すじをまっすぐにすることを意識しましょう。
頭のてっぺんが天井から引っ張られているような気持ちで立つと、自然と良い姿勢になります。
肩に力を入れず、胸は軽く開くのがポイントです。

【4】あごの位置を整える
あごが前に出すぎていると、のどがつまりやすくなります。
あごを軽く引いて、耳と肩が一直線になるようにしましょう。
鏡で姿勢をチェックすると、感覚がつかみやすくなります。

 

このようなストレッチと姿勢の改善を少しずつ取り入れるだけで、声が出しやすくなり、疲れにくくなります。

体に負担をかけないように、気持ちよく感じる範囲で毎日続けてみてください。

やさしい準備が、自然な声量アップにつながっていきます。

 

 

 

 

まとめ

年齢とともに声が出にくくなるのは、ごく自然なことです。

けれども、「声量が出ない」とあきらめず、正しい方法でボイストレーニングを行えば、シニアの方でもしっかりとした声を取り戻すことができます。

大切なのは、体に負担をかけず、自分のペースで続けること。

丹田を意識した発声法や、呼吸・共鳴・姿勢を整える練習を通して、のどに頼らない声の出し方を身につけることができます。

「まだ声が出るか不安…」と思っている方も大丈夫です。

やさしく続けられるシニア向けのボイストレーニングなら、毎日の会話やカラオケがもっと楽しく、もっと前向きになるはずです。

 

無理なく、少しずつ。あなたらしい元気な声を、もう一度取り戻してみませんか？

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