年齢を重ねると、「声が出にくくなった」「昔より声が小さくなった」と感じることはありませんか。

その変化に戸惑いや不安を覚える方は決して少なくありません。

結論から言えば、毎日少しでも声を出す習慣を取り入れるだけで、心と体の健康を守り、若々しさを保つことができます。

声を出すことは特別な準備もいらず、今日から誰でも始められる最高の健康法なのです。

この記事では、ご高齢者の方が声を出すことで得られる具体的な効果をわかりやすく解説します。

脳の働きを保ち認知症予防につながる理由や、飲み込む力を守り誤嚥を防ぐ仕組みを整理します。

さらに、呼吸機能を維持し、毎日の暮らしを元気に支える効果も紹介します。

表情筋や口腔機能が活性化して笑顔が自然に増えることや、気持ちが前向きになる心理的効果についても触れます。

無理なく続けられる習慣づくりのコツまで取り上げ、今日から実践できるヒントをお届けします。

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目次

ご高齢者の方が声を出すことの主な効果

 

(1) 認知症予防に役立つ

声を出すことと脳の働き

年齢を重ねると、少しずつ物忘れが増えたり、人の名前が出てこなくなったりすることがあります。

でも、毎日「声を出す」ことを意識するだけで、脳の働きを元気に保つ手助けになることがわかっています。

音読や歌の効果

たとえば、本を声に出して読む「音読」や、好きな歌を歌うことは、ただの遊びではなく、脳のさまざまな部分を使うすばらしい運動なのです。

言葉を考えて、口を動かし、耳で自分の声を聞くことで、脳がしっかり働きます。

これが、認知症の予防につながるとされています。

(2) 飲み込む力(嚥下力)が鍛えられる

嚥下力の低下とリスク

年を重ねると「嚥下力」が弱くなり、飲み込む力が弱くなる事があります。

嚥下力が落ちると、食べ物が気管に入ってしまい、「誤嚥」という状態になることがあります。

誤嚥が続くと、肺にばい菌が入り「誤嚥性肺炎」という病気になることもあります。

声を出すことで鍛えられる理由

この「飲み込む力」は、実は声を出すことで鍛えることができます。

声を出すときは、のどの奥にある筋肉や舌、口のまわりの筋肉をたくさん使います。

これらの筋肉は、飲み込むときにも使われているため、声を出すことが自然とトレーニングになるのです。

(3) 呼吸機能の維持・改善

年齢と呼吸の変化

年齢を重ねると、少しずつ呼吸が浅くなったり、息切れしやすくなったりすることがあります。

これは呼吸に関わる筋肉が弱くなることや、肺の力が低下することが原因です。

声を出すことと呼吸機能

しかし、毎日声を出す習慣を持つことで、この呼吸機能を維持し、改善することができます。

声を出すときは、息をたくさん使って、のどやお腹の筋肉をしっかり働かせます。

特に歌を歌ったり、長い文章を読むときには、深い呼吸が自然と必要になります。

深く息を吸って、しっかり吐きながら声を出すことで、肺のすみずみまで空気が行き渡ります。

心身への効果

これが、肺の健康を保ち、呼吸する力を鍛えることにつながります。

また、声を出すことで自律神経も整い、リラックスしやすくなります。

呼吸が深くなると、体全体に酸素が行きわたり、疲れにくくなる効果も期待できます。

(4) 表情筋・口腔機能の活性化

顔や口の筋肉の衰え

年齢とともに、顔の筋肉や口の動きが少しずつ弱くなっていくことがあります。

これにより、笑顔が出にくくなったり、話しにくくなったりすることがあります。

声を出すことでの活性化

しかし、毎日声を出すことによって、顔の筋肉(表情筋)や、口の動きを支える力(口腔機能)を元気に保つことができます。

声を出すときには、口を大きく開けたり、舌を動かしたり、さまざまな顔の筋肉を使います。

この動きが自然なトレーニングになり、筋肉がしっかり働くようになります。

簡単にできる工夫

たとえば、歌をうたったり、元気にあいさつをするだけでも、顔の運動になります。

特に「はっきり」「ゆっくり」と声を出すことを意識すると、より効果的です。

(5) 気持ちが前向きになる

年齢と気分の変化

年齢を重ねると、外に出る機会が減ったり、人と話すことが少なくなったりすることがあります。

その結果、気分が落ち込みやすくなったり、元気が出にくくなることもあります。

声を出すことで心が整う

そんなときにおすすめなのが、毎日少しでも「声を出す」ことです。

声を出すと、体の中で呼吸が深くなり、リラックスするための神経(副交感神経)が働きやすくなります。

これによって、自然と心も落ち着き、気持ちが前向きになる効果が期待できます。

声を出すことで得られる「効果」を深く知りたい方には、より具体的な変化をまとめた記事もあります。
シニアの方が声を育てるとどんな良いことがあるのか、詳しく知りたい場合に役立ちます。

60代からボイストレーニング始めても効果があるのか?年齢を重ねても輝く歌声を手に入れる方法

 

ご高齢になると声が出にくくなる理由

声帯の筋力低下、姿勢の崩れ、呼吸の浅さなど

声帯の筋力低下

年齢を重ねると、声が出にくくなったり、声が小さくなったりすることがあります。

その主な原因の一つは、声帯の筋力が弱くなることです。

声帯は、息を声に変えるために大切な部分で、筋肉でできています。

この筋肉が年齢とともに細くなったり、うまく動かなくなったりすると、声がかすれたり、出しにくくなったりします。

姿勢の崩れによる影響

また、姿勢の崩れも声に大きく影響します。

背中が丸くなったり、首が前に出た姿勢になると、肺がしっかり広がらず、声を出す力が弱まります。

呼吸の浅さと声の弱さ

さらに、呼吸が浅くなることも声が出にくくなる原因です。

浅い呼吸では、十分な息を使えないため、声が弱くなったり、すぐに息切れしたりしてしまいます。

日常会話が減ることによる影響

会話の減少がもたらす変化

年齢を重ねると、仕事を引退したり、家族と過ごす時間が減ったりして、日常会話の機会が少なくなることがあります。

この「話す機会の減少」が、声が出にくくなる大きな原因の一つです。

声を出す筋肉への影響

声を出すためには、声帯や口まわりの筋肉、呼吸を支える筋肉がバランスよく働く必要があります。

しかし、会話をする回数が減ると、これらの筋肉が使われる機会も少なくなり、だんだん弱くなってしまいます。

筋肉は使わないと、すぐに力が落ちてしまうため、知らないうちに声が小さくなったり、かすれたりしやすくなります。

息の使い方への影響

また、会話が減ることで、息を長く使う練習も少なくなります。

その結果、息が続かず、短い言葉しか話せなくなることもあります。

声が出にくくなる原因をより深く知りたい方には、声の小ささに特化した下記の記事も参考になります。
日常で起こりやすい変化を理解する手がかりになります。

ご高齢者の方の声が小さい原因と改善

 

声を出す大切さと習慣化へ

ここまで見てきたように、声を出すことには本当にたくさんの良い影響があります。

脳を元気にしたり、飲み込む力を保ったり、呼吸がしやすくなったり、顔の筋肉が動きやすくなったり、気持ちが前向きになったりと、日常の中で大きな支えになってくれるんです。

そして、ご高齢になると声が出にくくなる理由として、声帯の筋力が弱くなることや、姿勢の崩れ、呼吸の浅さ、さらに日常会話が減ることなどが重なっていくこともお話ししました。

こうした変化があるからこそ、毎日の生活の中で少しでも声を出す習慣を持つことが、とても大事になってきます。

では、その「声を出す習慣」をどうやって生活に取り入れていけばいいのか。

次の章では、無理なく続けられる声の出し方や、シニアの方でも安心してできる簡単なトレーニングをご紹介していきます。

 

 

ご高齢者の方におすすめ!声を出す習慣の取り入れ方

毎日できる簡単な習慣

日常に取り入れやすい工夫

声を出す力を保つためには、毎日少しずつ声を使うことが大切です。

特別な道具や広い場所は必要ありません。

日常生活の中に、簡単に取り入れられる方法がたくさんあります。

あいさつや音読の効果

たとえば、朝起きたら「おはようございます」と声に出してあいさつすること。

新聞や本を、ゆっくり声に出して読む「音読」もおすすめです。

短い文章でもかまいません。

はっきりと声に出すことがポイントです。

歌やまねを楽しむ

また、好きな歌を一曲だけでも歌うと、自然に呼吸も深くなり、楽しく声を使うことができます。

童謡や昔の歌など、なじみのある曲を選ぶと気持ちも明るくなります。

テレビを見ながら、番組の言葉をまねして声に出すのも手軽な方法です。

無理をせず続けること

無理に長く話そうとせず、できる範囲で続けることが大切です。

毎日ほんの数分でも声を出す習慣を作ることで、声の力をしっかり守ることができます。

小さな積み重ねが、元気な体と心につながっていくのです。

声を出す習慣を生活に取り入れたい方には、カラオケを使った練習法が分かりやすくまとまった記事もあります。

楽しみながら声を動かすコツがつかみやすくなります。

シニア向けカラオケ教室で楽しく健康に!歌うことのメリットと上達のコツ

 

シニアの方にやさしい毎日のボイトレ3点セット

ここでシニアの方におすすめのボイトレ3つご紹介します

① ゆっくり声出しあいさつトレーニング

目的:脳の活性化・嚥下力アップ・表情筋の運動

「おはようございます」「ありがとうございます」など短い言葉を、
ゆっくり・はっきり・やや大きめの声で発声します。

ポイントは、
・一語一語をていねいに発音する
・口を大きく動かす
・笑顔を意識する

このボイトレで、のどの筋肉・口の動き・表情筋が同時に使われ、脳にも良い刺激になります。

② 3秒吸って5秒で声を出す呼気トレーニング

目的:呼吸機能の維持・安定した呼吸の練習

① 3秒かけてゆっくり息を吸う
② 5秒かけて「スー」「ハー」など軽く声をつけて吐く
③ 慣れたら「アー」と軽く声を出しながら5秒伸ばす

無理に長く伸ばさなくて大丈夫です。
呼吸器の運動になり、声帯もやわらかく動きやすくなります。

③ ゆっくり音読トレーニング

目的:嚥下力・表情筋・気持ちの安定

新聞の一段、短い詩、好きな歌詞などを「ゆっくり・口をしっかり開けて」読むだけのトレーニングです。

・口をはっきり動かす
・リズムにのせて読む
・少し笑顔を意識する

このボイトレで、飲み込む力の筋肉が自然に働き、表情筋もよく動きます。
声を出すことで気分も明るくなり、心のリフレッシュにもつながります。

カラオケで声が出にくいと感じる方には、改善の道筋を分かりやすく整理した記事もあります。

声が弱く感じる理由を知りたいときに役立ちます。

シニア向けボイトレでカラオケで声が出ない悩みを解決!

 

無理なく始められるコツ

楽しく続ける工夫

声を出す習慣を続けるためには、無理をせず、楽しく取り組むことが大切です。

最初から長い時間声を出そうとすると、疲れてしまったり、続かなくなってしまうことがあります。

一言から始める

まずは、一日に一言だけでも声を出すことから始めましょう。

朝の「おはようございます」や、夜の「今日もありがとう」など、短いあいさつで十分です。

生活習慣に組み込む

また、決まった時間に声を出す習慣をつくると、自然に続けやすくなります。

たとえば、朝の身支度が終わった後に本を読む、食後に好きな歌を一曲歌うなど、生活の流れに組み込むのがおすすめです。

小さな声からでも大丈夫

大きな声を出すのが難しいときは、まずは小さな声からでもかまいません。

少しずつ声に出す回数を増やしていくことで、無理なく声の力を育てることができます。

楽しむことが一番のコツ

何より「楽しむこと」がいちばんのコツです。

お気に入りの本や音楽を使いながら、毎日少しずつ声を出す習慣をつくりましょう。

カラオケで疲れてしまいやすい方には、その原因を整理した記事もあります。

声を出すときの疲れが気になる方に読みやすい内容です。

ご高齢者の方がカラオケ で疲れる原因と改善法|今日からできるボイストレーニング

 

 

ボイストレーニングでいつまでも若々しい声に

プロの指導による効果

自己流のリスク

自己流で声を出していると、知らないうちにのどに負担をかけてしまったり、間違った癖がついてしまうことがあります。

これを防ぎ、より安全に、効果的に声を育てるためには、プロの指導を受けることがとても役立ちます。

講師による正しい指導

プロの講師は、一人ひとりの声の状態をしっかり聞き分け、無理のない正しい発声方法を教えてくれます。

姿勢や呼吸の仕方、声の出し方まで、細かいポイントをわかりやすく伝えてくれるため、自分では気づきにくい弱点も改善しやすくなります。

トレーニングの効果

また、正しいトレーニングを続けることで、声帯や呼吸筋をバランスよく鍛えることができ、若々しくはっきりした声を保ちやすくなります。

声だけでなく、体全体の使い方も自然とよくなり、日常生活の中でも元気に動けるようになります。

無理のない発声と継続

無理に力を入れるのではなく、体にやさしい方法で声を出せるようになるため、長く続けても疲れにくく、声のトラブルも予防できます。

専門家のサポートを受けながら、楽しんで声を育てていきましょう。

カラオケで音程が取りづらいと感じる方には、分かりやすい対処法をまとめた記事もあります。

声を安定させたいときの参考になります。

ご高齢者の方がカラオケで音程が取れない時の対処法

 

よくある誤解

①「大きな声じゃないと効果がない」という誤解

「大きな声で出さないと意味がない?」と思われる方が多いのですが、実はそんなことはありません。

声帯や口まわりの筋肉は、小さな声でもしっかり動きます。

むしろ、大きい声を出そうとして肩や首に力が入ってしまうと、かえって声がかすれたり疲れやすくなったりします。

大切なのは、大声ではなく、はっきり口を動かして心地いい範囲で声を出すことなんです。

②「歌が苦手だと練習できない」という誤解

「歌は得意じゃないから、ボイトレはできないのでは…」と心配されることもありますが、そんな必要はまったくありません。

声を使う練習の基本は、あいさつや音読など、普段の生活で自然にできることばかりです。

歌が得意かどうかとは関係ありません。
できる範囲で声を出すこと、それがいちばん大事なんです。

③「長い時間やらないと意味がない」という誤解

「毎日きっちり時間をとらないと効果が出ないんじゃないの?」と思われがちですが、これも誤解です。

声のトレーニングは、短い時間でも積み重ねれば十分に力になります。

逆に、最初から長時間やろうとすると疲れてしまい、続けるのがしんどくなってしまいます。

一日一言でもいいから続けることが、いちばん効果につながります。

④「年齢のせいだからどうにもならない」という誤解

「もうこの年齢だから声は弱くなる一方ですよね…」と考えてしまいがちですが、そんなことはありません。

声帯も口の筋肉も、呼吸を支える筋肉も、使えばちゃんと元気になります。

シニアの方でも、声がはっきりしてきたり、息が続きやすくなったりする変化はよくあります。

年齢に関係なく、声は育てることができるんです。

⑤「自己流で続ければ大丈夫」という誤解

声を出す練習を自己流で続けているうちに、気づかないうちに余計な力が入ってしまう方も多いです。

特に、肩や首に力が入ったまま声を出すクセがついてしまうと、のどが疲れやすくなったり、声が出しづらくなったりします。

定期的に専門家に見てもらうと、力みや呼吸の乱れに早く気づけるので、安心して続けられます。

 

まとめ:声を出すことで「心も体も若返る」

大阪市 小谷ボイストレーニング教室のレッスン風景

年齢とともに声が出にくくなるのは自然なことですが、毎日声を出す習慣を続けることで、認知症予防や呼吸機能の維持、心の健康にもつながることがわかっています。

「最近あまり声を出していないな」と感じている方こそ、今から少しずつ始めてみませんか。

あいさつ、音読、好きな歌を口ずさむなど、小さな一歩でかまいません。

声を出すことは、特別な準備もいらず、すぐに取り組める最高の健康法です。

ご高齢になっても、いきいきとした毎日を過ごすために、ぜひ今日から「声を出す習慣」を取り入れてみましょう。

無理なく続けるコツを意識しながら、明るい声と元気な体を育てていきましょう。

 

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