「好きな歌を最後まで歌うと、どうしても息切れしてしまう」

「カラオケで1曲歌い終わると、妙に身体が疲れる」

「昔はもっと楽に声が出たのに、年齢とともに喉や息が持たなくなった」

「声がかすれるし、フレーズの途中で息が苦しくなる」

「歌い始めは元気でも、2~3曲続けると息も体力も続かない」

そんな悩みを持つシニア世代の方は決して少なくありません。

以前より歌うことが好きで、カラオケや合唱、地域の歌声サークルなどに参加されている方も多いと思います。

ところが、「歌うと疲れる」「息切れが早い」という体感は、年齢とともに強くなりがちです。

歌うこと自体はとても楽しい。

だけど、体が思うようについてこない…。

そのもどかしさや悩み、年齢のせいだと諦めていませんか?

実は「歌うと疲れる」「息切れしやすい」悩みは、年齢だけが原因ではありません。

正しいボイストレーニングや、呼吸・身体の使い方を見直すことで、改善することができるのです。

この記事では、シニア世代の方が抱える「歌うと疲れる・息切れしやすい」悩みの本当の原因と、具体的な改善策を、専門的な視点からわかりやすく解説していきます。

 

【シニア向けボイトレ】歌うと疲れる・息切れする原因を徹底解説

シニア世代の方が「歌うと疲れる」「息切れしやすい」と感じる理由はさまざまです。

一般的に考えられる主な原因は、以下のようなものがあります。

1. 筋力・体力の低下

年齢とともに筋力や体力が低下するのは、誰しもが避けられません。

特に、呼吸や発声に関わる筋肉――横隔膜や肋間筋、腹筋などの衰えは、呼吸量や声の安定感に影響します。

運動不足も拍車をかけやすく、ちょっとした歌唱でも身体が疲れやすくなります。

2. 姿勢の悪化・柔軟性の低下

背中が丸くなったり、肩や首まわりが固くなったりすると、呼吸や発声に必要な空間が狭くなります。

深い呼吸がしづらくなり、肺に十分な空気が入らないため、歌っている最中にすぐ息切れしやすくなります。

また、姿勢が崩れることで、声帯にかかる負担も大きくなります。

3. 喉や声帯の変化

加齢によって声帯が乾燥しやすくなったり、粘膜が薄くなったりします。

結果的に「声がかすれる」「持続力がない」といった変化を感じやすくなります。

また、声帯を動かす筋肉も衰えるため、ピッチのコントロールや音量の調整が難しくなる場合もあります。

4. 呼吸の浅さ・リズムの乱れ

歳を重ねるにつれ、無意識に呼吸が浅くなりやすい傾向があります。

「歌詞を追うのに精一杯で、気がつけば息が残っていない」

「息継ぎのタイミングがうまく合わず、苦しくなる」

こうした経験は、年齢に関係なく誰でも起こりうることですが、シニア世代の方では特に顕著です。

5. 不安や緊張

「ちゃんと歌えるかな」「みんなの前で失敗したらどうしよう」

そんな不安や緊張は、呼吸や身体の動きをさらに浅く・固くしがちです。

緊張しているときは無意識に息を止めてしまい、歌いながらすぐに苦しくなることも多いです。

 

シニア世代の方の息切れ・疲れの根本原因は「呼気の弱さと不安定さ」

さて、ここまで挙げたさまざまな要因。

どれも確かに大切なポイントですが、その根本に共通しているのは「呼気(=吐く息)」の問題です。

1. 呼気とは「声を支えるエネルギー」

歌は「息を吐く」ことで声帯を振動させ、音として届けるものです。

どんなに筋力や体力があっても、正しい呼気が安定していなければ、声はすぐに乱れ、息切れや疲れを感じやすくなります。

2. 呼気が弱い・不安定だと何が起きるのか

呼気が弱いと、

・十分な空気が声帯を通らないため、声がかすれたり、音量が出ない

・フレーズの終わりで息が続かず、尻すぼみになる

・無理に声を出そうとして喉や首に余計な力が入り、身体が疲れる

呼気が不安定だと、

・息継ぎのタイミングがバラバラになり、リズムが乱れる

・音程や声質のコントロールが難しくなる

・余計な力みが生まれ、長く歌えない

つまり、筋力・体力・姿勢・喉の問題…どれも最終的には「呼気の質と安定性」に行き着くのです。

3. シニアの方こそ「呼気の質」を見直すべき理由

若い頃は、多少雑に歌っても呼気の力でカバーできていたかもしれません。

しかし、年齢を重ねると、呼気の筋肉(横隔膜や腹筋など)が衰え、呼吸自体が浅く・弱くなります。

この「呼気の弱さ・不安定さ」こそが、シニア世代の方の歌唱のあらゆる悩みの根本にあるのです。

 

呼気の改善がもたらす5つの好循環――声量・息切れ・疲れの軽減まで

ここで、「呼気」を鍛え、安定させることの重要性をもう少し掘り下げてみましょう。

1. 呼気が安定することで得られる効果

まず、呼気が強く・安定してくると、

・声がしっかり届きやすくなる(声量アップ)

・フレーズの最後まで安定して歌える(息切れしにくい)

・喉の力みに頼らずに発声できるので、身体が疲れにくい

・息継ぎのタイミングも自然になり、歌のリズムが安定する

・声の揺れや音程の不安定さが減る

これらはすべて、「息を自在にコントロールできる」状態が生み出す好循環です。

2. 呼気が安定するとなぜ疲れなくなるのか?

呼気が弱く・浅い場合、足りない分を「喉や首の力み」で補おうとしてしまいます。

すると、無駄な力が入り続けて首・肩・全身が疲れてしまう。

逆に、呼気が安定していれば「必要な息だけを無理なく使える」ため、身体が無駄に疲れなくなります。

さらに、呼気の筋肉――特に横隔膜や腹筋を意識的に動かすようになると、普段の呼吸も深くなり、全身の血流や代謝も向上します。

これは単なる「歌の悩み」だけでなく、健康面でも大きなメリットにつながるのです。

3. 呼気を改善することは「歌の質」全体の底上げになる

呼気が強く・安定することで、声量だけでなく、響きや表現力まで大きく変わってきます。

息がしっかり出るようになると、音色のバリエーションも増え、歌そのものがより豊かに響くようになります。

「息をコントロールできるようになったら、歌が急に楽しくなった」

「以前よりずっと楽に、長く歌えるようになった」

これは、呼気改善に取り組んだ多くの方が実感される変化です。

 

「呼気」を鍛えて疲れず歌える!シニア向け5つの具体トレーニング

それでは、実際に「呼気の強化・安定化」のためにどんなトレーニングが効果的か、具体的に紹介します。

1. 丹田呼吸(腹式呼吸)の基本

まずは、「丹田」(おへその下、下腹部)を意識した腹式呼吸から。

息を吸うときに、胸や肩を大きく動かすのではなく、お腹――特に下腹部や背中の広がりを感じながら、ゆっくり息を吸いましょう。

1. 椅子に座り、背筋を伸ばす

2. 両手を下腹部または腰の背中側に添える

3. 鼻からゆっくり息を吸い、お腹・背中に空気が入るイメージで膨らませる

4. 吐くときは、口からゆっくり息を細く長く吐き出す(ろうそくの火を消さないくらい優しく)

この呼吸を繰り返すことで、横隔膜や腹筋が自然に鍛えられ、呼気のコントロール力が高まります。

2. 横隔膜を意識した呼吸トレーニング

横隔膜は「呼吸の主役」ともいえる筋肉です。

息を吸うと横隔膜が下がり、肺に空気が入る。

吐くときは横隔膜がゆっくり元に戻り、息が押し出される。

この動きを意識的にゆっくり行うだけでも、呼吸筋が鍛えられます。

1. 仰向けに寝て、片手をお腹に、もう片手を胸に置く

2. 胸を動かさず、お腹だけが上下するように深呼吸を行う

3. 吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹がへこむ感覚を意識する

できれば1日5分程度から始め、徐々に呼吸の量・コントロール力を高めていきましょう。

3. 吸気筋・呼気筋の協調トレーニング

呼吸は「吸う」「吐く」両方の筋肉が協調して初めてスムーズに行われます。

片方だけを鍛えても、実際の歌唱では役立ちません。

【簡単なトレーニング例】

1. 3秒かけてゆっくり息を吸う(鼻から)

2. 1秒息を止める(力まずに)

3. 6秒かけてゆっくり息を吐く(口から細く長く)

これを1セットとして、数回繰り返します。

吸う・吐く・止める、それぞれの筋肉とタイミングを意識して行うことで、呼吸全体の協調性が高まります。

4. 発声と呼気を連動させるトレーニング

呼吸が安定したら、次は実際に「声」と「息」を連動させる練習です。

・「スー」「シー」など、摩擦音で細く長く息を吐きながら声を出す

・「あー」と発声しながら、息の強さ・長さを一定にキープする

・好きな歌のフレーズを、息を十分に使いながら一音一音丁寧に歌う

こうしたトレーニングを積み重ねることで、「歌うと疲れる・息切れしやすい」悩みは確実に改善していきます。

5. 姿勢や身体の使い方も意識する

呼気を最大限活かすには、「姿勢」も非常に大切です。

背筋を伸ばし、肩や首をリラックスさせることで、肺や横隔膜が動きやすくなります。

毎回のトレーニング前に、軽くストレッチを行うのもおすすめです。

 

 

まとめ:「呼気力が安定すれば声も安定する」

「歌うと疲れる」「息切れしやすい」というシニア世代の方の悩み。

その根本には、「呼気の弱さ・不安定さ」があります。

筋力や体力の衰え、姿勢の悪化、声帯の変化――

これらも確かに一因ですが、最も影響が大きいのは「息を自在にコントロールできるかどうか」です。

呼気の力を鍛え、安定させることで、声量・持続力・響き・表現力、あらゆる面が劇的に改善します。

「呼気が安定すれば、声も安定する」

これは単なる理屈ではなく、多くのシニアの方が実際に体感している事実です。

年齢は関係ありません。

正しい呼吸・発声のトレーニングを続けることで、いくつになっても「疲れず」「楽に」「楽しく」歌える声を手に入れることができます。

シニア世代の方こそ、ボイストレーニングで呼気力を見直し、人生をもっと豊かに楽しんでいきましょう。

 

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