最近、声がかすれてうまく話せない。
以前はもっとはっきりと通る声だったのに、今では電話でも聞き返されることが増えてしまった。
カラオケも昔のように楽しめなくなり、高い声や張った声が出にくい。
人と話していても自分の声が通らず、つい自信をなくしてしまう――。
年齢を重ねるごとに、このような「かすれ声」に悩む方は多くなります。
「仕方がない」とあきらめていませんか?
実は、声のかすれは正しいケアやトレーニングで改善することができます。
本記事では、シニア世代の方に特化した「かすれ声」改善のポイントを、専門的な視点と、日常生活で無理なくできる方法の両面からお伝えします。
今の自分の声に悩む方へ――声は必ず変わります。
声の健康を取り戻し、もう一度“自分らしい声”で会話や歌を楽しむためのヒントを、一緒に探していきましょう。
目次
シニア世代の方特有の「かすれ声」の原因とメカニズム
年齢とともに「かすれ声」が増える理由
シニア世代になると、「声がかすれる」「ザラザラする」「長く話すと声が出しにくくなる」といった症状が多く見られます。
これは単なる老化現象ではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
(1)声帯の乾燥と萎縮
加齢により、声帯の粘膜が薄くなり、潤いが失われがちになります。
声帯の柔軟性も低下し、振動が不安定になることで、「ガラガラ」「ヒリヒリ」といったかすれた音質になりやすくなります。
(2)筋力の低下
体の筋肉と同じく、声帯や喉周辺の筋肉も加齢とともに衰えます。
息を支える力が弱まると、発声時に十分な圧力をかけられなくなり、声が弱く、かすれやすくなるのです。
(3)呼吸機能の変化
胸郭や横隔膜の動きが硬くなり、浅い呼吸になりやすいのもシニア世代の方の特徴です。
呼気の勢いが弱くなることで、声帯の振動が安定せず、声にムラやかすれが出やすくなります。
(4)生活習慣・薬の影響
口呼吸のクセや、降圧剤など一部の薬剤による副作用、飲酒・喫煙などの生活習慣も、声帯の乾燥や炎症を招き、かすれ声を助長します。
(5)精神的ストレス
シニア世代の方は生活や健康の変化によるストレスも多く、ストレスによって呼吸が浅くなったり、喉が緊張して声がかすれるケースも増えています。
日常生活と「かすれ声」の関係〜悪化を防ぐためにできること
日々の習慣が声に影響する
「声がかすれる」のは、単に発声の問題だけではありません。
普段の生活習慣や体調管理が、声帯の状態に大きく影響しています。
(1)水分補給の重要性
シニア世代の方は体内の水分が不足しがちです。
のどを潤すためには、意識的な水分補給が欠かせません。
カフェインやアルコールは利尿作用があり、かえって喉を乾燥させますので、なるべく控えめにしましょう。
(2)部屋の湿度管理
冬場やエアコンを多用する季節は特に、部屋の乾燥に注意が必要です。
加湿器や濡れタオルを使って、のどや鼻の粘膜を守ることが、かすれ声の予防に役立ちます。
(3)正しい姿勢を意識する
猫背や前かがみの姿勢は、呼吸を浅くし、声帯への空気の流れも悪くなります。
座るときも立つときも、背筋を軽く伸ばし、胸を広げるようなイメージで過ごしてみてください。
(4)適度な運動・全身の血流改善
軽いウォーキングやストレッチなど、日常の中で体を動かすことで、喉や声帯にも新鮮な血液が巡りやすくなります。
全身の血流が良くなると、声の調子も整いやすくなります。
(5)食生活の見直し
バランスの取れた食事は声帯の健康にも重要です。
特に、たんぱく質やビタミンA・Eなどは粘膜の健康維持に欠かせません。
逆に、辛いものや熱すぎる飲み物は、のどに刺激を与えるので控えるのがベターです。
声帯を元気にする!シニア向けボイストレーニング実践法
簡単・安全にできる「かすれ声」改善エクササイズ
シニア世代の方でも無理なく続けられる、声帯を優しく鍛えるトレーニングを紹介します。
(1)深呼吸で土台づくり
まずは、しっかりと呼吸ができる体を作ることが大切です。
椅子に腰掛け、背中を伸ばしてお腹に手を当てます。
鼻からゆっくり息を吸い、お腹(下腹部)が軽く膨らむのを感じたら、口から静かに細く長く息を吐きます。
この深呼吸を毎日5回ほど行うことで、呼吸筋の柔軟性が高まります。
(2)ハミングで声帯に優しく刺激を
口を閉じて「んー」とハミングしてみましょう。
大きな声でなくてOKです。
唇や顔が軽く振動するのを感じながら、無理のない高さ・音量で数回繰り返します。
ハミングは声帯を適度に振動させ、潤いを保つのに効果的です。
(3)ストロー発声(ストローブロー)
細めのストローを用意し、ストローをくわえて「ウー」や「アー」と声を出します。
強く息を吐きすぎず、優しく細く長く続けるのがポイントです。
この練習は声帯への負担が少なく、適度な閉鎖力と呼吸のコントロールを養います。
(4)声のストレッチ〜音階練習
ピアノやスマートフォンのアプリを使って、無理のない範囲で「ドレミファソファミレド」など簡単な音階を軽く歌ってみましょう。
「高い音を無理に出そう」としなくて大丈夫。
自分の出しやすい高さで、毎日少しずつ声を動かすことで、声帯の柔軟性が保たれます。
(5)「あいうえお」ゆっくり発音トレーニング
口をしっかり開けて、はっきり「あ・い・う・え・お」と発音します。
鏡を見ながら、口や舌の動きを意識し、ゆっくり丁寧に声を出しましょう。
発音が不明瞭だと、かすれ声も悪化しやすいので、滑舌を意識した練習が有効です。
心と体のセルフケア〜継続のコツと生活習慣の見直しで声を守る
声のケアは毎日の積み重ね
「かすれ声」は、一日二日で治るものではありません。
しかし、毎日のセルフケアと正しいトレーニングを続けることで、徐々に声の調子が整い、はっきりした声を取り戻せる可能性が高まります。
(1)無理をしない・声を出しすぎない
喉が乾燥したり痛みを感じたときは、無理に声を出さず休息を取りましょう。
過度な発声はかえって声帯を痛め、かすれが長引く原因になります。
(2)気分転換・リラックスを大切に
ストレスは呼吸や発声の質に大きく影響します。
趣味や外出、深呼吸など、自分なりのリラックス方法を取り入れることで、心の緊張が緩み、声の状態も安定しやすくなります。
(3)生活全体を見直すことの大切さ
声の悩みは、生活全体のバランスと密接に関わっています。
無理のない範囲で「水分・食事・運動・睡眠・気分転換」をバランスよく整え、身体の内側から声を元気にしていきましょう。
まとめ
年齢を重ねても、「クリアな声」「自分らしい声」は取り戻せます。
かすれ声の悩みは、放置せず、今日からできるケアやトレーニングを少しずつ取り入れることで、着実に改善へとつながっていきます。
声の変化は「年齢のせい」とあきらめる必要はありません。
ぜひ、生活の中に無理なく「声のケア」を取り入れ、もう一度会話や歌を楽しむ毎日を目指してみてください。
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