高音を出そうとしても 裏声はスカスカだから「裏声は弱くて使い物にならない」と思っていませんか?

でも実は、裏声だから弱いのではなく“支え”が足りていないだけです。

正しくトレーニングすれば、裏声も芯のある強い声に育てることができます。

この記事では、裏声が弱く聞こえる本当の原因と、体や呼吸を使って裏声を安定させるための「支え」のポイント、そして地声のように響く裏声を作る具体的な練習法を紹介します。

さらに、裏声を鍛えることで自然にミックスボイスへとつながる仕組みも解説。

最後までご覧頂ければ、「裏声は弱い」という思い込みが完全に変わります。

 

裏声が弱く感じる本当の原因

裏声が弱く聞こえる原因とは

裏声が弱く聞こえてしまうのには、いくつかの明確な原因があります。

まず一つ目は、息のコントロールが不安定であることです。

裏声は声帯が薄く伸びた状態で振動しているため、少しでも息の流れが乱れるとすぐに音が揺れたり、途切れたりします。

息の勢いが強すぎても、逆に弱すぎても、声帯の振動が安定せず、頼りない声に感じられるのです。

声帯を支える筋肉が使えていない

次に、声帯を支える筋肉がうまく働いていないことも大きな要因です。

声を支える筋肉──特に喉の奥や首の周囲、さらには胸や背中にかけて連動する筋群──が使われていないと、声帯がしっかり閉じずに空気が漏れてしまいます。

すると声は軽く、スカスカした印象になり、「裏声は弱い」と感じてしまうのです。

呼吸の支え(丹田)の働きが不足している

そして三つ目の原因が、呼吸の支え(丹田)の働きが不足していることです。

息を丹田(下腹部のあたり)でしっかり支えることで、呼気の流れが安定し、声帯に適度な圧力がかかります。

この支えがないまま喉だけで出そうとすると、息が安定せず、声帯がバラついた動きをしてしまいます。

その結果、声が細く弱くなり、響きも浅くなってしまうのです。

喉だけで出そうとする危険性

つまり「裏声が弱い」というのは、単に声帯が弱いのではなく、息と体の使い方が不安定な状態なのです。

喉だけで出そうとすればするほど、声帯はしっかり閉じられず、空気が抜けてスカスカした音になります。

裏声を強くするためには、喉に力を入れるよりも、息を支える体の使い方を整えることが何より重要なのです。

声帯の閉じ方や息の漏れの原因をさらに深掘りしたい方は、声門閉鎖の仕組みと必要性を解説したページをご覧ください。詳しくは「声門閉鎖のボイトレは必要か?本質から声門閉鎖を考える発声のメカニズム」で解説しています。

 

 

裏声を強くするためのカギは“支え”

呼吸の支えが裏声を強くする鍵

裏声を強くするための最大のカギは、呼吸の支え(丹田)にあります。

裏声を地声のように安定させるためには、喉の力だけに頼るのではなく、下腹部を中心とした体の支えが欠かせません。

下腹部、つまり丹田のあたりを意識しながらゆっくりと息を吐く練習を続けることで、呼気の流れが安定し、声帯に無理な圧力をかけずに振動させることができます。

この“安定した息の流れ”こそが、裏声をしっかりと支える土台になります。

喉の力に頼らない発声

多くの人は裏声を出そうとすると喉に力を入れてしまいがちですが、それでは逆効果です。

喉で声を押さえつけると、声帯の自由な振動が妨げられ、音が詰まったり弱々しくなったりします。

大切なのは、喉をリラックスさせながら息の支えで声を支える感覚を身につけることです。

体幹で声をコントロールする感覚

息を下方向へ流すように意識し、体幹(お腹・背中・腰回り)でその流れをコントロールすることで、声は自然と安定します。

この感覚がつかめるようになると、裏声でも芯のある太い響きを作ることができます。

つまり、喉の力で無理に押し上げるのではなく、体全体で声を支えることによって、裏声が軽くならず、響きの深い声へと変化していくのです。

丹田の具体的な使い方や呼吸の整え方を実践で学びたい方は、「丹田発声について」をご覧ください。支えの作り方を詳しく解説しています。

 

 

練習のポイント:裏声を“育てる”感覚で

裏声は“育てる”声

裏声を強くするためには、「一気に出す」よりも「育てる」という感覚が大切です。

裏声は筋トレと同じように、少しずつ鍛えていくことで安定し、力強さが増していきます。

最初のうちは、無理に大きな声を出そうとせず、軽い負荷での練習を積み重ねることが重要です。

ストロー発声で息のコントロールを養う

たとえば、ストローを使って息を細く長く吐く「ストロー発声」は、息のコントロールと支えを養うのにとても効果的です。

空気の流れを感じながら、裏声に必要な繊細な息の圧を作り出す練習になります。

ハミングで響きを整える

また、「ハミング」もおすすめです。

唇を閉じて声を出すことで、喉の緊張をやわらげながら、声の響きを自然に前方へ導くことができます。

ハミングは裏声と地声のバランスを取るのにも役立ちます。

ロングトーンで裏声の芯を育てる

さらに、小さな音量で裏声をゆっくりと伸ばす「ロングトーン」も有効です。

小さい声で息を安定させながら音を保つことで、声帯の振動が整い、裏声の芯が強くなっていきます。

継続が裏声を強くする

こうした軽い練習を日々繰り返すうちに、裏声は少しずつ支えが強まり、自然と声量も上がっていきます。

無理なく続けることで、裏声の響きが太くなり、安定した高音へとつながっていくのです。

高音が苦しくなる原因と練習の優先順位を整理した解説は、「高音が出ない本当の理由と正しい改善策」をご参照ください。練習設計に直結します。

 

地声と裏声をつなげると“ミックスボイス”になる

裏声を鍛えると地声との境がなくなる

裏声を鍛えていくと、次第に地声との境目が少しずつなめらかになっていきます。

最初のうちは、地声から裏声に切り替わるときに声が裏返ったり、音色が急に変わったりすることがありますが、練習を重ねるうちにその境界が自然に溶け合っていきます。

これがいわゆる「ミックスボイス」と呼ばれる状態です。

ミックスボイスとはどんな声か

ミックスボイスは、地声の持つ芯のある強さと、裏声の持つ柔軟さや軽やかさが調和した、統合された響きです。

どちらか一方の声に偏るのではなく、二つの要素がバランスよく混ざり合うことで、無理のない発声が可能になります。

喉に負担をかけずに高音を出す

この状態では、喉に過度な力を入れなくても高音を出すことができます。

息の支えが安定し、声帯が適切な厚みと伸びを保ちながら振動するため、声は滑らかで力強く、響きも豊かになります。

つまり、ミックスボイスは「地声か裏声か」といった二択を超えた、“声の統合表現”ともいえるのです。

裏声を鍛えることの本当の意味

このように、裏声をしっかりと鍛えていくことは、単に高音を出すためだけでなく、声全体の響きと安定を高めるためにも大切なプロセスなのです。

ミックスボイスの実体と育て方を体系的に学ぶなら、「ミックスボイスとは?ミックスボイスという言葉の実体と本質を徹底解説」が役立ちます。概念と実践の両面を整理できます。

 

まとめ:裏声は鍛えれば必ず強くなる

「裏声は弱くて使い物にならない」というのは誤解です。

正しく支えを使えば、裏声は芯のある豊かな声に育ちます。

裏声を鍛えることは、結果的に高音域の安定や喉の負担軽減にもつながります。

裏声も「使い物にならない声」ではなく、

育てることで武器になる声”それが裏声なのです。

 

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