カラオケで歌い始めると、すぐに息が続かなくなってしまう――。

サビに入るころにはもう苦しくて、思うように声が出ない…。

そんな経験、ありませんか?

「自分は肺活量がないから仕方ない」と思っているかもしれませんが、実はその息切れ、**本当の原因は“緊張”**かもしれません。

緊張によって呼吸が浅くなり、体に力が入り、結果的に息が続かなくなる。

このような悪循環が、あなたの歌を苦しくしているのです。

この記事では、「なぜ緊張が息切れにつながるのか」を詳しく解説しながら、リラックスして気持ちよく歌うための体と呼吸のコツを丁寧にご紹介します。

無理なく、楽しく、最後まで歌いきれる自分を目指して――一緒に整えていきましょう。

 

カラオケで息切れする主な原因とは?

1. 緊張で呼吸が浅くなる

カラオケで息切れしてしまう主な原因のひとつに、「緊張によって呼吸が浅くなること」があります。

人は緊張すると無意識のうちに肩をすくめた「肩呼吸」になりやすくなります。

肩呼吸は胸の上部だけで呼吸するため、取り込める息の量が少なく、すぐに息切れしやすくなります。

また、緊張によって呼吸のリズムが乱れると、歌に必要な安定した息のコントロールができなくなります。

リズムよく息を吐けない状態では、フレーズの途中で苦しくなったり、高音で力んだりといった悪循環が生じやすくなります。

つまり、緊張は「息の量」と「呼吸のリズム」の両方を狂わせるため、結果として歌の安定感を失い、息切れにつながるのです。

2. 息の出しすぎ

カラオケで息切れする原因のひとつに、「息の出しすぎ(使いすぎ)」があります。

これは無意識のうちに息を強く吐きすぎてしまい、フレーズの途中で息が足りなくなる現象です。

特に「声を大きく出そう」「しっかり聞かせよう」と意識するあまり、必要以上に息を勢いよく吐いてしまうことが多く見られます。

しかし、強く吐けば声がよく出るというわけではなく、逆に息の無駄遣いとなり、肝心のところで息が続かなくなります。

このように、息を過剰に使ってしまうと、安定した呼吸配分ができなくなり、結果として息切れや声の不安定さにつながります。

つまり、「頑張って声を出そう」という意識が、かえって息を浪費させてしまう原因になるのです。

3. 歌う姿勢が悪い・体が固まっている

カラオケで息切れする原因のひとつに、「歌う姿勢が悪い・体が固まっていること」があります。

歌うときに緊張やクセで体がこわばると、肩や喉に無駄な力が入りやすくなります。

とくに肩や首まわりが力んでしまうと、呼吸が浅くなり、スムーズに息を吸ったり吐いたりすることが難しくなります。

また、猫背や前かがみなどの姿勢の悪さも、肺や横隔膜の動きを制限してしまいます。

その結果、しっかり息を吸えず、歌っている途中で息が苦しくなってしまうのです。

つまり、体の力みや姿勢の崩れによって、呼吸機能が十分に発揮できなくなり、息切れにつながってしまうというわけです。

 

なぜ「緊張」が息切れにつながるのか?

大阪市 小谷ボイストレーニング教室のレッスン風景

自律神経が影響して、体が“逃げモード”に入る

人が緊張すると、自律神経のうち「交感神経」が優位になり、体は“逃げる”ための準備を始めます。

これは動物が危険から身を守るための本能的な反応で、いわゆる「闘争・逃走反応」と呼ばれます。

この状態になると、心拍数が上がり、呼吸が浅く速くなります。

特に肩や首に力が入りやすくなり、深い呼吸ができずに「肩呼吸」になってしまうのです。

その結果、息をたくさん吸ったつもりでも実際には十分な空気が体に入っておらず、歌うとすぐに息切れしてしまいます。

つまり、緊張によって交感神経が活発になると、体はパフォーマンスを発揮しづらい状態になり、安定した呼吸ができなくなるのです。

歌に必要な“落ち着いた深い呼吸”とは真逆の状態になることが、息切れの大きな原因となります。

無意識に呼吸が速く・浅くなり、結果的に酸欠気味に

緊張すると、人は無意識のうちに呼吸が速く、浅くなります。

これは交感神経が優位になることで体が「警戒モード」に入り、呼吸を小刻みにして酸素を取り込もうとする反応です。

しかし、浅い呼吸では肺の上部しか使われず、実際には十分な酸素が体に行き渡りません。

そのため、いくら呼吸しているつもりでも体内の酸素が不足しやすくなり、結果的に軽い酸欠のような状態に。

酸欠状態になると、頭がぼーっとしたり、喉が締まったり、息苦しさを感じやすくなり、歌にも大きな影響を与えます。

さらに、息がうまく吸えないことで、フレーズの途中で苦しくなったり、高音で力んだりするなど、悪循環が生まれます。

つまり、緊張によって呼吸が浅くなることが、息切れやパフォーマンス低下の大きな引き金となるのです。

• 息が浅い状態では、いくらブレスしても間に合わない

緊張して呼吸が浅くなると、どれだけ頻繁に息を吸っても、必要な量の空気を体に取り込むことができません。

浅い呼吸では胸の上部しか使われず、肺の大部分が使われていないため、吸い込める息の量が非常に少なくなります。

その状態でブレスをしても、ほんのわずかな空気しか入らず、すぐに息が切れてしまいます。

とくに長いフレーズや高音など、たっぷりの息が必要な場面では、この“浅いブレス”では全く足りず、歌いきることが難しくなります。

さらに、息が足りないことに焦って力んだり、無理に息を押し出そうとしたりすると、喉に負担がかかり、声も不安定になります。

つまり、緊張によって呼吸が浅くなると、「吸っているのに足りない」という状態が続き、息切れや歌の崩れにつながってしまうのです。

 

リラックスして歌うための体と呼吸のコツ

1. 歌う前に「ゆっくり吐く」呼吸で整える

リラックスして歌うための第一歩は、歌う前に「ゆっくり吐く」呼吸で体と心を整えることです。

このとき意識すべきなのは、肩を動かさず、背中や脇腹がふんわりと広がるように息を通すこと。

肩を上下させるような浅い呼吸ではなく、体の内側にゆっくり息を巡らせるイメージで吐いていきます。

そして「吸うこと」よりも「吐くこと」を優先するのがポイントです。

息をゆっくり長く吐き出すと、自然と次の吸気が深く、静かに入ってきます。

これは体の緊張をゆるめ、自律神経を整える効果もあり、心拍数も落ち着いてきます。

このように「吐く」ことを丁寧に行うだけで、歌う前の呼吸が安定し、体がふわっと開きやすくなります。

その結果、余計な力みが抜け、リラックスした状態で歌い始めることができるのです。

2. 姿勢を整える

リラックスして歌うためには、正しい姿勢を整え、「丹田(たんでん)」に意識を向けることが大切です。

丹田とはおへその少し下にある体の重心点で、ここに意識を置くことで自然と重心が下がり、体全体が安定します。

重心が下がると、喉や肩など上半身の余分な力が抜け、緊張がやわらぎます。

その際のコツは、「頭が天井から糸で引っ張られているような感覚」を持ちながら、「下腹にどっしりと重さを感じる」ことです。

この上下のバランスがとれると、体が無理なく立ち、胸や喉を押し上げるような力みが消えていきます。

姿勢が整うことで呼吸の通り道も広がり、深く穏やかな息がしやすくなります。

つまり、丹田に意識を向けた安定した姿勢は、リラックスした呼吸と発声の土台を作る鍵となるのです。

3. 曲の入り方を丁寧に

リラックスして歌うためには、曲の入り方を丁寧にし、出だしで力まないことがとても重要です。

歌い始めから強く声を出そうとすると、息を一気に使いすぎてしまい、すぐに苦しくなります。

とくに緊張しているときほど「しっかり出さなきゃ」と力んでしまいがちですが、これが逆効果になることも。

むしろ、歌い出しは優しく、やわらかく声を出すことで、息の消耗を防ぎ、体全体もリラックスしやすくなります。

また、曲の構成を意識し、特にサビに向けて「力を温存する」感覚を持つことも大切です。

最初から全力で出してしまうと、後半で息も体力も足りなくなりがちです。

出だしを落ち着いて丁寧に歌うことで、歌全体の流れが整い、自然な呼吸と表現が続けやすくなります。

結果として、息切れも防げて、最後まで気持ちよく歌いきることができるのです。

 

緊張しやすい人のための心構えと実践方法

カラオケは「勝負の場」ではない、という気持ちの切り替え

緊張しやすい人にとって大切なのは、「カラオケは勝負の場ではない」と気持ちを切り替えることです。

つい「うまく歌わなきゃ」「失敗できない」と考えると、体がこわばり、呼吸が浅くなり、かえって声が出にくくなります。

しかし、カラオケは点数や評価よりも、「自分が楽しむ」ことが本来の目的です。

誰かと競う場ではなく、自分の好きな曲を自由に表現できる時間ととらえましょう。

「間違ってもいい」「うまくなくてもいい」という心構えがあるだけで、心と体がぐっとラクになります。

この気持ちの余裕が、呼吸や発声の安定にもつながり、結果的に良い歌になることも多いのです。

まずは完璧を目指さず、自分らしく歌うことを大切にしてみてください。

その意識の変化が、緊張を和らげ、歌をもっと楽しめる一歩になります。

失敗してもOKという前提で「遊ぶように歌う」

緊張しやすい人にとって大切なのは、「失敗しても大丈夫」という前提で歌に向き合うことです。

完璧に歌おうとすればするほど体は固まり、呼吸も浅くなり、本来の声が出せなくなります。

そこでおすすめなのが、「遊ぶように歌う」という感覚です。

歌詞やメロディに合わせて、ちょっと表情をつけてみたり、抑揚を楽しんだりすることで、心が自由になります。

「ここでうまく歌えなかったらどうしよう」ではなく、「どんな風に歌ったら楽しいかな?」という気持ちで臨むことが大切です。

そうすると体も自然にほぐれ、息が通りやすくなり、結果的に声も安定してきます。

緊張を減らす一番の近道は、「うまく歌う」ことではなく、「楽しむ」こと。

そのためにも、まずは失敗を恐れず、自由に遊ぶように歌うことから始めてみましょう。

本番前に“リラックスルーティン”をつくる

緊張しやすい人にとって、本番前に“リラックスルーティン”を持つことはとても効果的です。

「歌う直前に何をするか」を決めておくことで、心と体に安心感が生まれ、緊張を和らげやすくなります。

たとえば、ゆっくりと深呼吸をして呼吸を整える、肩や首をやさしくストレッチする、声を出さずに軽く笑ってみる――これだけでも体の力みが抜けてきます。

笑顔をつくる動作には、脳に「安心していい」という信号を送る効果もあり、自然に呼吸が深くなります。

このような簡単な動作を「本番前の習慣」として取り入れることで、「緊張してもいつもの流れで大丈夫」と自分に言い聞かせられるようになります。

ポイントは、難しいことではなく、“自分に合った小さな動作”を継続すること。

ルーティン化することで、緊張に振り回されず、落ち着いて歌に集中できる心と体をつくることができます。

まとめ:緊張を味方につければ、もっと楽に歌える

大阪市 小谷ボイストレーニング教室のレッスン風景

カラオケでの息切れは、単なる「肺活量不足」ではなく、心と体のバランスが崩れていることが原因であることが多いです。

緊張すると呼吸が浅くなり、体がこわばり、声が思うように出なくなります。

けれど、緊張そのものは悪者ではありません。

大切なのは、緊張を無理になくそうとするのではなく、「呼吸」と「意識」でうまく付き合っていくこと。

ゆっくり息を吐いたり、姿勢を整えたり、出だしを丁寧に歌うだけでも、体は次第にリラックスしはじめます。

そして何より、リラックスして響く声は、聴く人の心に自然と届くもの。

緊張を受け入れつつ、あなたらしい声で、もっと自由に、もっと楽に歌ってみてください。

 

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