ミックスボイスって、人によって説明が違っていて、どれが本当なのか分からなくなることはありませんか。

「地声でも裏声でもない声」を求めて練習してみたけれど、なかなかつかめなかった…そんな経験をした方も多いと思います。

私の考えでは、ミックスボイスは中間の声を作ることではなく、地声と裏声を自然につなげてひとつの声として響かせる発声です。

無理に混ぜ合わせるのではなく、呼吸や身体の使い方を整えることで生まれてくる声なんですね。

この記事では、まずミックスボイスという言葉がなぜ人によって違う意味で語られてきたのかに触れていきます。

次に、「混ぜる声」や「中間の声」といった誤解がどうして広がってしまったのかに触れていきます。

そして、地声と裏声をどのように整えていけば自然に統一できるのか、その方向性を紹介します。

最後に、習得のカギになる「息の流れ」に注目し、具体的な練習の道筋をお伝えしていきます。

 

ミックスボイスの定義

まず、何をもってミックスボイスなのか?ミックスボイスの定義について、正直なところ決まった定義が存在しないのが現状です。

現場のボイストレーナーによって解釈や説明が異なるため、共通する定義がないとも言えますし、逆に言えば“定義が多数存在する”とも言えます。

こうした現状を踏まえ、今回はご覧頂いている皆さんが混乱しないように「小谷式ミックスボイス」として解説していきます。どうぞ、その前提でご覧いただければ幸いです。

 

ミックスボイスの歴史

音大時代には存在しなかった「ミックスボイス」という言葉

私が音大生だった2000年前後には、「ミックスボイス」という言葉は一般的には使われていませんでした。

当時使われていた「チェンジ」という表現

当時、似たような意味で使われていた言葉としては「チェンジ」がありました。

これは主にクラシックの分野で用いられていた表現です。

クラシック以外の呼び方について

一方で、クラシック以外のジャンルではどのように呼ばれていたのかは、私には分かりません。

「ミックスボイス」という言葉の登場

その後、日本では2000年代初めから中頃に「ミックスボイス」という言葉が登場し始めました。

初期の段階では、主に“強い裏声”という意味合いで使われていたと思います。

現代における「ミックスボイス」の捉え方

そして現代では、「ミックスボイス」は単なる裏声の種類ではなく、“歌い方”の一つとして捉えられるようになっていると感じます。

 

私のミックスボイスの見解

「ミックスボイス=地声と裏声を混ぜる」という誤解

まず「ミックスボイス=地声と裏声を単純に“混ぜる”だけ」という誤解も非常に多く見られますが、地声と裏声を単純に同時に出すことはできません。

地声と裏声は同時に出せない理由

確かに、地声と裏声を交互に切り替えたり、意識的に使い分けることは可能ですが、声帯は一度にひとつの動きしかできませんし、地声と裏声ではメインで働く筋肉自体が異なります。

つまり、地声と裏声は“同時に出す”ことも“混ぜる”ことも、物理的には不可能です。

無理な発声が引き起こすトラブル

この物理的に無理なことを実現しようとすると、喉に無理な力がかかり、かえって声が不安定になったり、ミックスボイスとは言えない状態になってしまいます。

「ミックスボイス=中間の声」という誤解

ミックスボイスをしっかり習得すると、その声はあたかも地声と裏声の“中間のような声”に聞こえます。

そのため、「ミックスボイス=中間の声」という誤解も非常に多く見られます。

「中間の声」は実在しない

しかし、実際には「中間」という具体的な声質や音色が存在するわけではありません。

中間の声を作ろうとして無理な力みや曖昧な発声を続けることで、声帯や喉に負担がかかり、声が不安定になかったり、どっちつかずの弱い声になってしまうことが多くなります。

誤った練習に陥りやすい理由

実際、多くの方が地声のまま無理に高音を出そうとしたり、裏声を少しだけ太くしよう といった、中途半端な発声をしてしまいがちです。

「中間の声」というイメージが誤解の原因となり、多くの人が本質から外れた練習をしてしまいがちです。

本来のミックスボイスとは

ミックスボイスは「地声でも裏声でもない“何か”」ではありません。

地声と裏声それぞれをボイトレで磨き、整えることで、両者の特徴がバランスよく統一された結果として生まれる声です。

結果として“中間的に聞こえる”だけのものとも言えます。

 

ミックスボイスを目指す方向性

①目指すは地声と裏声の統一

ミックスボイスで最も大切なのは、地声と裏声の切り替えによって声の質感がバラバラに聞こえるのを防ぎ、統一感のある歌声にすることです。

小谷式ミックスボイスが目指すのは、地声と裏声を違和感なく「統一」し、一つの まとまり ある声にすることです。

②統一とは 混ぜるや融合とは違う

「統一する」とは、単に地声と裏声を混ぜたり、その中間を探すことではありません。

地声の“芯”や“太さ”、裏声の“高さ”や“柔軟さ”など、それぞれの良さをバランスよく最適化し、発声や体の使い方を調整することで、地声、裏声どちらの声も同じような統一感のある声になることを目指します。

 

ミックスボイス習得の道

1. 地声の最適化

ミックスボイス習得の第一歩は地声の最適化

ミックスボイス習得の第一歩は地声の最適化です。

ここでいう「最適化」とは、喉や首などに無駄な力をかけず、しっかり安定した声を出せれる様になるという事です。

地声発声で起こりやすい問題

多くの人は地声で声を出すとき、無意識に喉の筋肉を強く緊張させたり、息をあまり使わずに喉だけで声を出そうとする傾向があります。

呼吸筋を使った正しい地声発声

まずは喉の力みを抜きながら、呼吸筋をしっかり使って息の流れを整えて発声する事が重要です。

そうすると雑音、ノイズが無いクリアな地声になり、しっかり安定した声になります。

地声の安定がミックスボイスへの土台となる

このようにして地声を整えることで、発声の基礎が安定し、高音域への移行もスムーズになり、ミックスボイス習得への大きな一歩となります。

 

2. 裏声の調整

裏声の特徴と課題

裏声は本来、柔軟で高音域を出しやすい特徴がありますが、息漏れが多く、声が細く弱々しくなりがちです。

息漏れの主な原因

裏声の息漏れの原因の大半は、裏声を出す際の息の流れが弱い事です。

息の流れを強化する改善策

改善策としては裏声を出すときに、丹田や横隔膜を使って息の流れをしっかりと強化する事です。

響きを支える共鳴腔の確保

同時に、口腔や咽頭腔といった共鳴腔を十分に確保し、声がしっかり響くように調整することも大切です。

裏声発声でも地声の感覚を保つ

さらに、裏声で発声しているときも、体幹や下腹部で身体を安定させ、「地声のときの感覚」を意識し続けることが大切です。

芯のある強い裏声へ

こうして裏声の息の流れと響きを整えていくことで、地声に負けない芯のある強い裏声になっていきます。

 

最後に. 息の流れの統一がミックスボイスのカギ

地声と裏声に共通する重要なポイントは、「息の流れを整える」ことです。

地声の息の流れが安定し、裏声の息の流れが強化されると、ん両者の間に自然な統一感が生まれます。

この統一感こそが理想的なミックスボイスとなります。

 

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