ミュージカルを歌うと、声が通らない、高音で苦しくなる、台詞と歌で声が変わると感じる初心者の方は多いです。練習しても声が安定しないと、どこから見直せばよいか分からなくなりやすいです。

この記事では、ミュージカル発声の基本、普通の歌との違い、初心者の方がまず取り組む練習と順番を扱います。

ミュージカル発声とは|普通の歌との違いと基本の考え方

ミュージカル発声を知るには、まず普通の歌との違いを見ておくと分かりやすいです。
この章では、ミュージカル発声と普通の歌の違い、初心者の方が最初に押さえたい発声の基本を順に扱います。

ミュージカル発声と普通の歌の違い

ミュージカル発声では、歌の音程だけでなく、言葉、感情、物語の流れまで声で伝える必要があります。
普通の歌ではメロディや歌声の美しさが中心になりやすいですが、ミュージカルでは歌詞が台詞のように伝わり、人物の気持ちや展開が声に出ることが求められます。

そのため、同じ一曲の中でも、話すように歌う部分、気持ちを強く出す部分、高音に向かう部分で、声の使い方が変わります。ここで大切になるのは、声量だけを大きくすることより、言葉がはっきり届き、音域が変わっても声の印象が大きく変わりすぎないことです。

この差が、台詞から歌に移るところや、感情が強く動くところで、聞き手に伝わる声になるかどうかの分かれ目になります。一方で、大きな声を出そうとして喉に余計な力が入ると、言葉が聞き取りにくくなり、高音や長いフレーズで苦しくなりやすいです。この視点があると、普通の歌との違いも具体的に理解しやすくなります。

まずは、ミュージカル発声を迫力だけで考えず、言葉、音域、表現の変化の中で声を安定させる発声として見ておきます。

初心者が最初に押さえたい発声の基本

初心者の方が最初に押さえたい発声の基本は、大きな声や高い声を急いで出すことではなく、声が無理なく出ているかを確認することです。ミュージカルでは、言葉、音程、感情の変化が続くため、喉だけに力が入ると声が不安定になりやすいです。

特に、台詞のように言葉を届けながら歌う部分や、感情の変化に合わせて声の強さが変わるところでは、発声の乱れが聞こえ方に出やすくなります。そのため、声を出したあとに喉が強く疲れないか、言葉が聞き取りやすいか、音域が変わっても声の印象が大きく変わりすぎないかが分かれ目になります。

一方で、最初から迫力や声量を求めすぎると、喉に余計な力が入り、歌うほど苦しくなりやすいです。声量を上げる前に、今の声で無理なく出せる範囲を知っておくと、練習の方向が分かりやすくなります。
まずは、今の声で無理なく出せる範囲を確認し、言葉と音程が大きく崩れない発声から始めることが大切です。

この段階で無理の少ない発声を確認しておくと、次に高い声や長いフレーズに進むときにも、喉だけに力が入りにくくなりますよ。

ミュージカル発声が『難しい』と感じてしまう理由

ミュージカル発声が難しく感じられる理由には、声そのものだけでなく、最初に見ているポイントのズレが特に関係します。
この章ではまず、特別な才能が必要だと思われやすい理由、声が通らないときの反応、『喉の力の世界』に見えてしまう理由を順に扱います。

特別な才能が必要だと思われやすい理由

ミュージカル発声に特別な才能が必要だと思われやすいのは、舞台で鍛え上げられ完成された声と、まだ完成されていない今の自分の声をいきなり比べてしまいやすいからです。舞台の奥まで届く声や迫力のある高音を先に思い浮かべると、今の声との差が大きく見え、自分には向いていないと感じやすいです。

完成された声は、呼吸、言葉、音程、感情の変化が舞台上でうまく合わさった結果として聞こえるものです。
しかし、最初に見るべきなのは、完成された声に近いかどうかより、今の声がどこで不安定になっているかです。声が通らない、高音で苦しくなる、台詞と歌で声が変わるなどの状態には、それぞれ理由があります。

そのため、比べる順番を変える必要があります。
才能だけで判断すると、声が通らない理由や高音で苦しくなる理由を見直す前に、練習の方向を見失いやすいです。まずは、舞台上の完成形と比べるより、今の声がどの部分で崩れやすいかを見ることが大切です。

声が通らないとき、多くの人が最初にやってしまうこと

声が通らないと感じたとき、多くの人は喉だけで声を強く出そうとしやすいです。
特に舞台の奥まで届けたい、音量を出したいと思うほど、まず声量を上げようとして喉に力を入れやすくなります。その場では声が大きくなったように感じても、息の流れが不安定になりやすいです。

息の流れが不安定になると、声の大きさは出ても、言葉が聞き取りにくくなったり、高音や長いフレーズで苦しくなりやすいです。声が通らない理由を、声の大きさだけで見ず、声がどこで不安定になっているかを見ることが大切になるのです。

一方で、喉だけで無理やり声を出そうとすると、喉に余計な力が入り、音域が変わるところで声が不安定になりやすいです。声が通らないときほど、まず声を強くする前に、今の声がどこで不安定になっているかを確認します。大きく聞こえる声ではなく、最後まで安定して届く声かどうかを見ます。確認する順番を変えると、練習の方向性も見えやすくなります。

声量の上げ方をより詳しく知りたい方は ミュージカルで声量が上がらない原因と上げる方法|舞台で届く声へ も参考になります。

『喉の力の世界』に見えてしまう誤解

ミュージカル発声が『喉の力の世界』に見えやすいのは、舞台上の声が大きく、強く、はっきり聞こえるからです。聞こえてくる声の迫力だけを見ると、喉を強く使えば同じ声に近づけるように感じやすいです。
そのため、声量や迫力を出すほど、喉の力が必要だと考えやすくなります。

しかし、舞台で必要になるのは、一瞬だけ強く出る声ではなく、言葉、音域、感情の変化が続いても大きく崩れない声です。喉の力だけで声を無理やり出そうとすると、喉に余計な力が入り、長いフレーズや高音で声が不安定になりやすいです。その状態では、声が大きく聞こえても、言葉が最後まで届きにくくなります。

音域や感情が変わるたびに声が不安定になると、人物の気持ちや物語の流れも伝わりにくくなります。
だからこそ、練習では喉の強さだけを見るより、声が最後まで安定して届くかを確認することが大切です。

声が通らない理由をより詳しく知りたい方は、ミュージカルで歌がこもる原因とは?声が通らない本当の理由と改善法も参考になります。

ミュージカル発声の基本となる声の仕組み

ミュージカル発声を安定させるには、声がどの順番で生まれているかを見ておく必要があります。
この章では、声が生まれる順番、呼吸から始める理由、丹田、姿勢、台詞と歌のつながりを順を追って解説します。

声は『呼吸→喉→響き』の順番で生まれている

ミュージカル発声の基本を理解するには、まず声が「呼吸→喉→響き」の順番で生まれていることを見る必要があります。肺から息が流れ、その息を受けて喉の中で声帯が振動し、生まれた音が口腔や咽頭腔を通って声として整います。

この順番が分かると、声が不安定なときに喉だけを見るのではなく、息の流れや響きまで確認しやすくなります。一方で、喉だけを強く使って声を出そうとすると、息の流れが不安定になり、声帯の振動や響きも不安定になりやすいです。その状態では、声量を出しているつもりでも、音域や言葉が変わるところで声が大きく崩れやすくなります。

ミュージカル発声では、まず声が生まれる順番を知り、呼吸、喉、響きのどこで声が不安定になっているかを見ていくことが大切です。

なぜ発声練習はまず呼吸から始めるべきなのか

発声練習をまず呼吸から始めるのは、声は息の流れから始まって生まれるものだからです。
声は喉だけで作るものではなく、まず息が流れて、その息の流れを受けて声帯が振動し、声として外に出ていきます。息の流れが不安定なまま声を出すと、喉だけで声を作ろうとしやすくなり、喉に余計な力が入りやすいです。

そのため、声を出す前に息の流れが自然に起きているかを見ることで、喉だけに意識が集まりにくくなります。呼吸から確認すると、声を出す前の準備が分かりやすくなり、発声練習の中で息を吸う、息を吐く、声にする流れをつかみやすくなります。一方で、最初から喉の感覚ばかり確認すると、息が止まりやすくなり、声帯の振動も不安定になりやすいです。初心者の方は、まず息を吸う、息を吐く、声にする流れを確認してから発声練習に入るとよいです。

丹田と息の流れの関係

丹田は、息の流れを起こすために、最初に意識する場所です。丹田を意識して息を吐くと、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋が働きやすくなります。これらの筋肉が働くことで、お腹の内側から横隔膜が押し上げられ、肺から息が流れ出しやすくなります。

声を出す時に丹田を意識すると、喉から先に声を出そうとする感覚が減り、息をしっかり使って声を出せるようになります。すると喉の負担が減り、声も出しやすくなります。

一方で、最初から声量や強く声を出そうとすると、喉や胸、肩に力が入りやすくなり、声が不安定になりやすいです。初心者の方は、まず声を出す前に丹田を意識し、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋が働いて息が流れ出す感覚を確認するとよいです。

丹田から声を出す具体的な方法を知りたい方は 丹田から声を出す方法|初心者の方が知っておきたい発声の基本 も参考になります。

呼吸を整えることが姿勢の安定にもつながる理由

呼吸を整えることは、声だけでなく、姿勢の安定にも関係します。呼吸に関わる筋肉はお腹や背中、肋骨の動きにも関係するため、呼吸が浅いと体の中心が不安定になりやすいです。体の中心が不安定になると、声を出す前から首や肩に力が入りやすくなります。

呼吸が入りやすい姿勢になると、首や肩に余計な力が入りにくくなり、喉も動きやすくなります。背すじを伸ばすことだけを見るのではなく、息が入りやすいかも確認します。一方で、胸を張りすぎたり、首だけ前に出たりすると、肩や喉に力が入りやすくなり、声が出しにくくなります。

初心者の方は、姿勢を形だけで作るより、息が入りやすく、喉に余計な力が入らない位置を確認するとよいです。

台詞と歌が同じ流れでつながる理由

台詞と歌が、どちらも息をしっかり使った声でつながると、歌に入った瞬間の違和感が少なくなります。
台詞で息をしっかり使えていると歌に入っても、言葉も歌も同じ人物の声として聞こえやすくなります。
そのため、歌に入る瞬間に別の声を作ろうとせず、息をしっかり使った声のまま進めるかが大切です。

この感覚があると、歌に入っても声量だけが急に前に出にくく、台詞と歌の声が同じ人物の声としてつながりやすくなります。一方で、歌になった瞬間に声量や歌声らしさを先に作ろうとすると、喉に余計な力が入り、台詞と歌の声が離れやすくなります。

初心者の方は、台詞から歌に切り替える感覚より、息をしっかり使った声のまま歌に入る感覚をまずは一つずつ丁寧に確認していくとよいです。

丹田を使った発声をより詳しく知りたい方は、丹田から声を出す方法|初心者の方が知っておきたい発声の基本も参考になります。

ミュージカルの歌い方でつまずきやすい3つのポイント

ミュージカルの歌い方では、台詞と歌、感情、高音のところで声が不安定になりやすいです。この章では、台詞と歌で声が別人になること、感情を込めるほど声が詰まること、高音で声を切り替えようとすると段差が出ることを順に扱います。

台詞と歌で声が別人になる

台詞と歌で声が別人になるのは、歌に入った瞬間に台詞の時と別の声を作ろうとして、台詞の声と歌の声が離れやすくなるからです。台詞では自然に出せている声でも、歌になった瞬間に声量や歌声らしさを作ろうとすると、喉に余計な力が入りやすくなります。

特に、歌に入った瞬間に声を大きく変えると、言葉の出方や声の印象も変わりやすくなります。
そのため、歌に入るところでも、息をしっかり使った声のまま進めるかが大切です。
台詞の延長で歌に入れると、人物の声としてつながりやすくなります。

一方で、歌だけ別の声にしようとすると、人物の声としてつながりにくくなり、台詞と歌の差が目立ちやすくなります。初心者の方は、歌に入る瞬間の声を大きく変えず、台詞で使っている声とのつながりを確認するとよいです。この確認ができると、台詞から歌に進んでも、声の統一感が急に途切れにくくなります。まずは声の差を見ます。

感情を込めるほど声が詰まる

感情を込めるほど声が詰まるのは、気持ちを強く出そうとしたときに、喉や上半身に力が入りやすくなるからです。感情が強くなると、声量や表情も大きくしようとしやすくなり、喉、首、肩、胸に力が入りやすくなります。そのため、感情を声に出すときは、気持ちの強さをそのまま喉だけで出そうとせず、息をしっかり使った声を出せるかが大切です。

一方で、感情の強さだけで声を押そうとすると、喉に余計な力が入り、言葉が詰まったり高音が苦しくなったりしやすいです。さらに、感情を強く見せようとして、声量や迫力だけを先に大きくすると、喉や胸、肩に力が入りやすくなります。

気持ちの強さを声量や迫力だけで出そうとすると、息をしっかり使った声になりにくく、声が詰まりやすくなります。初心者の方は、感情を強く出そうとする前に、息をしっかり使った声で言葉が詰まらず声を出しているかを確認するとよいです。

喉に余計な力が入って歌ってしまう原因と改善法を知りたい方は 喉で歌わない方法|喉で歌ってしまう原因と改善法 も参考になります。

高音で声を切り替えようとすると段差が出る

高音で地声から裏声にうまく切り替わらないのは、切り替えるところで喉に余計な力が入っているからです。
地声と裏声では、喉の中で優位に働く筋肉が違います。地声では声帯を閉じようとする筋肉が優位に働き、裏声では声帯を伸ばす筋肉が優位に働きます。

地声から裏声に移るところでは、声帯を閉じる筋肉から伸ばす筋肉に働き方が変わります。この動きはとても繊細なので、喉に力が入ると声帯の動きのバランスが崩れ、切り替えに失敗しやすくなります。高音で地声から裏声に移るところでも、息をしっかり使った声のまま進めるかが大切です。

息の流れが安定していれば、地声と裏声の差が目立ちにくくなります。初心者の方は、地声から裏声に移るところで、声が急に変わりすぎていないかを確認するとよいです。

高音を喉に負担をかけずに出す方法を知りたい方は、ミュージカルの高音の出し方を徹底解説|プロが教える喉に負担をかけない高音発声法も参考になります。

 

初心者がまず取り組むべき発声の基本練習

初心者の方がミュージカル発声を練習するときは、いきなり一曲を歌い込むより、正しい発声の流れを順番に確認すると進めやすいです。この章では、丹田を意識した呼吸、姿勢、声の通り道、台詞と歌をつなげる練習を順に扱います。

丹田を意識した呼吸の整え方

丹田を意識した呼吸では、声を出す前に、丹田が働いているかを確認します。丹田を意識すると、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋が働きやすくなり、お腹の内側から横隔膜が押し上げられて、肺から息が流れ出しやすくなります。

この時、肩や胸を大きく動かさず、丹田を意識したまま息が送り出される感覚を確認できるかが大切です。
息を吐く前に固めるのではなく、姿勢を整えた状態で、細く長く息を流せるかを見ていきます。
一方で、最初から深く吸おうとしたり、胸を大きく膨らませたりすると、肩や首に力が入りやすくなります。

肩や首に力が入ると、息が送り出される感覚よりも、上半身を使って息を出そうとする感覚が強くなりやすいです。初心者の方は、立った状態で姿勢を整え、丹田を意識しながら細く長く息を流すところから始めるとよいです。

腹式呼吸での正しいお腹の動きを知りたい方は 歌うときお腹はへこます?ふくらむ?腹式呼吸の仕組みと正しいお腹の動きを解説 も参考になります。

姿勢を整えて呼吸と喉が動きやすい状態を作る

姿勢を整える目的は、見た目をきれいにすることではなく、呼吸と喉が動きやすい状態を作ることです。
胸を張りすぎたり首が前に出たりすると、肩や喉に力が入りやすくなり、息が入りにくくなります。
息が肺に入りにくくなると、声を出す前から呼吸が不安定になり、喉も動きにくくなります。

そのため、立ったときに、肩が上がらず、首だけ前に出ず、息が自然に入りやすい位置を見つけられるかが大切です。一方で、背すじだけを無理に伸ばすと、胸や肩に力が入り、声を出す前から上半身に余計な力が入りやすくなります。姿勢は固めて作るものではなく、呼吸と喉が動きやすい位置を確認するためのものです。

その位置なら息も自然に入りやすくなります。初心者の方は、足裏で床を感じ、頭が上に伸びるように立ち、肩と首に余計な力が入っていないかを確認するとよいです。

遠くに声を届ける意識を持つトレーニング

遠くに声を届ける意識を持つと、喉だけで声を作ろうとしにくくなり、声を出すときに呼吸と喉が一緒に働きやすくなります。少し離れた相手に声を届けようとすると、自然に息をしっかり使って声を出す感覚が生まれやすくなります。その結果、声を喉だけで出す感覚が弱まり、息をしっかり使った声が出しやすくなります。

ここで大切なのは、近くにいる人に話しかける感覚ではなく、少し距離が離れている相手に言葉を届ける感覚を持てるかです。まず声を強く出すことより、少し遠くの相手まで言葉を届ける意識を先に持つのです。一方で、声量だけを上げようとすると、喉や胸に力が入りやすくなり、声が届く前に声が不安定になりやすいです。

初心者の方は、目の前ではなく少し遠くにいる相手に向けて、息をしっかり使った声で届ける練習から始めるとよいです。

台詞と歌を同じ声でつなげる練習の入口

台詞と歌を同じ声でつなげる練習では、歌う曲の歌詞を息をしっかり使った声で朗読し、次に息をしっかり使った声で歌うことで、台詞の声と歌声が統一されているか確認します。先に歌詞を息を使った声で朗読すると、息をしっかり使った声の感覚が残ったまま歌に入りやすくなり、歌になった瞬間に別の声になりにくくなります。

そのため、朗読したときの息をしっかり使った声を、歌に入っても保てるかが大切です。一方で、歌に入った瞬間に強く声を出そうとし過ぎると、喉に余計な力が入り、朗読の声と歌の声が変わりやすくなります。初心者の方は、歌う曲の歌詞をまず息をしっかり使った声で朗読し、そのあと同じ歌詞を息をしっかり使った声で歌う練習から始めるとよいです。この流れで、台詞と歌を同じ声でつなげる練習を始めます。

発声練習の進め方を順を追って知りたい方は、発声練習の基本と効果的なトレーニング方法|正しい方法で歌が劇的に上達するも参考になります。

 

発声練習でのよくある誤解

発声練習では、練習の進め方や効果の感じ方で迷いやすいことがあります。
この章では、初心者の方が発声練習で持ちやすい考え方を順に扱います。

練習量を増やせば声が安定するという誤解

発声練習では、ただ練習量を増やすより、正しい発声のポイントを理解してこまめに練習することが大切です。声を出す筋肉や器官は、使い方を何度も確認することで動きが体に定着しやすくなります。そのため、長く歌い続けることだけを目標にするのではなく、声を出すたびに息をしっかり使った声を確認することが必要です。

一週間に一度だけ2時間練習するより、毎日15分でも声の出し方を確認する方が、発声の感覚を体が深く記憶します。一方で、一週間のうち一度だけ長時間まとめて練習しても、翌週の練習の時、体はその声の出し方を忘れていることがあります。だからこそ、練習の間隔を空けすぎないことが大切です。

声の確認を毎日少しずつ続けることです。初心者の方は、練習量を増やす前に、息をしっかり使った声を確認しながら、短い時間でこまめに練習するとよいです。

練習するとすぐに効果が出るという誤解

発声練習を始めても、すぐに声量が上がったり、高音が楽になったりするとは限りません。
声を出す筋肉や器官は、使い方を何度も確認することで少しずつ動きが変わっていきます。
最初の変化は、喉の疲れ方が少し変わる、声が詰まりにくくなる、息をしっかり使った声に入りやすくなるなど、小さな形で出ることがあります。

一方で、一度の練習で大きな変化だけを求めると、声量や高音を急いで出そうとして、喉に余計な力が入りやすくなります。初心者の方は、すぐに大きな効果を求めすぎず、喉の疲れにくさや声の出しやすさを確認しながら練習を続けるとよいです。

まとめ|初心者がミュージカル発声でまず取り組むこと

ミュージカル発声で初心者の方がまず取り組むことは、声量や迫力を急いで出すことではなく、声が出る流れを順番に確認することです。ミュージカルでは、台詞と歌、感情、高音のところで声が不安定になりやすいため、声がどこで崩れているかを見ることが大切です。

そのうえで、丹田を意識した呼吸、姿勢、遠くに声を届ける意識、台詞と歌を同じ声でつなげる練習を順に確認します。一方で、発声練習では、闇雲に長く練習することや、すぐに大きな効果を求めることだけで判断しないようにします。初心者の方は、息をしっかり使った声を確認しながら、短い時間でこまめに練習を続けるとよいです。

声を大きくする前に、呼吸、姿勢、声の届け方、台詞と歌のつながりを見直すことで、練習の目的も分かりやすくなります。

 

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