「声がこもって聞き取りづらいと言われた」。

「自分では大きな声を出しているつもりなのに、遠くに届かない」

そんな悩みを抱えていませんか?

発声の問題は、ただ声を大きくすれば解決するものではありません。

特に“通る声”“響きのある声”というのは、むやみに喉を使うだけでは身につかない、繊細かつ全身を使う技術です。

しかし安心してください。

これは生まれつきの才能ではなく、正しい練習を重ねれば誰でも手に入れられるものです。

この記事では、声楽の個人レッスンで通る声と響きを手に入れる方法を、専門的な視点からわかりやすく解説していきます。

 

通る声・響きのある声とは?

まずは、「通る声」と「響きのある声」の違いと共通点について理解しましょう。

通る声とは

通る声とは、単に大きな声のことではありません。

周囲の雑音に埋もれず、相手の耳にしっかり届く「明瞭で芯のある声」のことを指します。

その特徴は、音量よりも“響きの方向”と“共鳴の使い方”にあります。

喉だけで押し出すような声は、たとえ大きくても遠くまで届きません。

一方で、丹田で支えた息をしっかり流し、声を口腔や咽頭腔で響かせると、声は自然に前へと飛びます。

このとき、音の芯がぶれずにまっすぐ届くため「通る声」として認識されるのです。

また、通る声は“抜け感”があるため、聞き手にとって心地よく、負担がありません。

つまり、通る声とは、身体の支え・息の流れ・響きの方向が整って初めて成立する「届くための技術」なのです。

響きのある声とは

響きのある声とは、深みと立体感を持ち、耳に心地よく届く声のことです。

単に声が大きいだけではなく、声が身体の“共鳴空間(口腔・咽頭腔)”を十分に活かして振動しているかが鍵になります。

響きのある声は、息と声が滑らかに連動し、空間に「ふわっ」と広がるような印象を与えます。

そのためには、喉を開き、口腔の天井や奥行きを活かすイメージが不可欠です。

また、響きを“上唇から眉間のあたり”に集める意識を持つことで、音が一点にまとまり、輪郭のある声になります。

響きが整うと、音に芯が生まれ、聴き手の心にもダイレクトに届くようになります。

つまり、響きのある声とは、身体全体を響かせることで成立する「共鳴の技術」によって生まれる声なのです。

 

この2つは本質的に重なっており、響きのある声が通る声を生みます。

逆に、喉声で無理に大声を出しても、響かない声はすぐに埋もれてしまいます。

 

 

なぜ通る声が出ないのか?よくある原因

多くの人が「声が通らない」と感じるのには、次のような共通原因があります。

息を止めてしまっている

通る声が出ない原因の一つに、発声時に息を止めてしまう癖があります。

声は息に乗せて届けるものですが、多くの人が「しっかり出そう」と意識するあまり、無意識に息を押しとどめたり、喉に力を入れて音を出そうとします。

この状態では、息が流れず、声帯も硬直し、振動が不自由になります。

結果、音がこもったり、声が前に飛ばなくなるのです。

また、息を止めることで身体全体の動きも固まり、響きのある共鳴空間が作れなくなります。

本来、声は「息を流し続ける中に生まれる振動」であり、止めるものではありません。

緊張や力みが原因の場合も多く、安心した状態で“息を吐きながら声を出す”という感覚に慣れることが、改善の第一歩となります。

声道(共鳴腔)が狭くなっている

通る声が出ない原因のひとつに、声道(共鳴腔)が狭くなっていることが挙げられます。

声道とは、声が通り、響くための空間、すなわち口腔や咽頭腔のことを指します。

この空間が狭くなると、声が十分に響かず、こもった印象になってしまいます。

たとえば、口を横にしか開けない、舌が奥に引っ込んでいる、喉が緊張しているなどの状態では、声の通り道が圧迫されてしまうのです。

さらに、あごや首に力が入っていると、共鳴腔が自由に動けず、声に抜けがなくなります。

本来、通る声は「広がりのある共鳴空間」によって支えられています。

そのため、口を縦に開ける・喉を柔らかく保つ・奥行きのある空間を意識することが、響きを育てるための第一歩になります。

声帯が過緊張している

通る声が出ない原因として、声帯の過緊張が大きく関わっていることがあります。

声帯は本来、適度な張力を保ちながら振動することで、滑らかで明瞭な声を生み出します。

しかし「大きな声を出そう」「高音を出したい」と意識しすぎると、喉に力が入りすぎ、声帯が固く締まった状態になります。

この状態では声帯の振動が阻害され、音がかすれたり、響きのない押し出す声になってしまいます。

また、声帯だけで声を作ろうとする癖があると、身体の支えや共鳴を使わずに喉で無理に音を作ることになり、通る声からどんどん遠ざかっていきます。

声帯は力で鳴らすものではなく、息と共鳴で“鳴らされる”ものです。

そのためには、喉の脱力と体幹からの支えを両立させる意識が必要です。

響かせる位置が定まっていない

通る声が出ない原因の一つに、「響かせる位置が定まっていない」という問題があります。

声には“響きの方向”があり、音をどこに集めるかによって、声の届き方や明瞭さが大きく変わります。

響かせる位置が曖昧だと、音が拡散してしまい、結果的に“自分には聞こえるけれど相手には届かない”内向きな声になります。

特に多いのは、声を喉のあたりで止めてしまったり、下方向(胸や首)に響かせてしまうケースです。

この状態では音がこもりやすく、抜けのない声になります。

通る声を出すには、「上唇から眉間にかけてのエリア」に響きを集める意識が有効です。

このエリアに向かって声を“前に出す”のではなく“前に響かせる”ことで、無理なく遠くに届く声が生まれます。

身体(特に下半身)が使えていない

通る声が出ない原因として見落とされがちなのが、「下半身の使い方ができていない」という点です。

声は喉だけで出すものではなく、全身、特に丹田(下腹部の内側)を含む下半身の安定が重要です。

身体の土台が不安定だと、息の支えが弱くなり、声も上滑りして響きが失われます。

たとえば立ち姿勢が前後左右に傾いていたり、膝が緩んでいたりすると、腹圧がかけられず、浅い呼吸で喉だけに頼った発声になりがちです。

また、背中や腰回りが硬直していると、息が深く吸えず、響きを生み出す余裕もなくなります。

通る声を出すには、足裏でしっかり床をとらえ、丹田で息を支える“下からの安定感”が必要です。

つまり、声を通すには喉よりもまず「下」を使えるかがカギになります。

 

声楽の個人レッスンで得られるメリット

大阪市 小谷ボイストレーニング教室のレッスン風景

自己流では気づけない発声の癖にアプローチできる

声楽の個人レッスンの最大のメリットのひとつが、自分では気づけない発声の癖を的確に見抜いてもらえることです。

独学やグループレッスンでは、自分の声を客観的に分析するのは難しく、知らず知らずのうちに喉声や息の止まる癖が染みついてしまうことがあります。

特に、音程・リズム・姿勢・響かせ方などの微細なズレは、本人には感覚的に「普通」に感じられるため修正が難しいものです。

個人レッスンでは、講師が一人ひとりの発声を丁寧に観察し、癖の原因を見極めた上で、その人に合った修正方法を提案してくれます。

この「自分だけの発声改善プログラム」が組めるのはマンツーマンならではの強みであり、最短距離での上達に繋がります。

体の使い方と響きの方向性を学べる

声楽の個人レッスンでは、単に「声の出し方」だけでなく、身体全体の使い方や響きの方向まで細かく指導を受けられるのが大きな特徴です。

声は喉だけでつくるものではなく、姿勢・呼吸・筋肉の連動によって生まれます。

例えば、背中や下腹(丹田)で支える感覚、あご・肩・首の脱力、骨盤の安定など、全身の状態が発声に大きく影響します。

また、「響きをどこに集めるか」という“方向性”も、通る声を出すためには重要です。

個人レッスンでは、その人の骨格や癖に合わせて、響きを上唇〜眉間に向けて集める感覚などを具体的に体感させてくれます。

これにより、感覚では掴みにくい身体の使い方が明確になり、響きのある声を安定して出せるようになります。

息・声・共鳴の連動が体感できる

声楽の個人レッスンでは、「息・声・共鳴」がどのように連動しているかを具体的に体感できるのが大きな魅力です。

独学では、息をどう流すのか、声帯がどう鳴っているのか、どこに響かせるべきかがバラバラになりがちです。

その結果、息を止めてしまったり、喉に力が入り、響かない声になってしまいます。

個人レッスンでは、講師がひとり一人の発声を分析しながら、息の流れに声を自然に乗せ、それを共鳴腔に響かせる一連の流れを丁寧に導いてくれます。

たとえば、「今の声は息が止まっていたね」「もう少し眉間に響きを集めてごらん」など、リアルタイムでのフィードバックが可能です。

この“連動感覚”がつかめると、声は飛躍的に安定し、響きのある通る声へと変化していきます。

 

響きのある声を手に入れる基本ステップ

Step1:息を流す感覚を養う

響きのある声を手に入れる第一歩は、「息を流す感覚」をしっかりと身につけることです。

声は“息に乗って”出てくるものであり、息が止まっていたり詰まっていたりすると、どれだけ響かせようとしても空間に広がりません。

特に初心者は、「しっかり声を出そう」と意識するあまり、息を押し込む・止める・力んでしまうという癖が出がちです。

まずは「はー」と息だけを吐く練習から始め、吐き続ける中で声を乗せていくという段階的な練習が有効です。

このとき、喉や肩に力が入らないよう注意し、背中や体幹の広がりを意識すると、息の流れが安定します。

息が止まらずに流れ続ける感覚が得られると、声も自然に乗って響き始め、無理なく「通る声」への土台が築かれます。

 

Step2:声道を開く

響きのある声を出すためには、「声道(共鳴腔)を開く」ことが不可欠です。

声道とは、声が通過して響く空間——つまり口腔・咽頭腔などを指します。

この空間が狭いままだと、声は響かず、こもって聞こえてしまいます。

多くの人は、口を横にしか開けなかったり、喉を締めたまま発声していたりと、知らず知らずのうちに声の通り道を塞いでいます。

改善の第一歩は、あくびをする時のように、喉の奥をふんわりと開ける意識を持つこと。

さらに、母音「あ・お」などを用いて、縦に大きく口を開ける練習を取り入れると効果的です。

声道が開くと、声が空間に響く余地が生まれ、自然と音に厚みと抜けが加わります。

結果として、喉に力を入れなくても「響きのある声」が出やすくなります。

Step3:響きの方向を意識する

響きのある声を出すためには、「どこに響かせるか」という“響きの方向”を意識することが重要です。

声はただ前に押し出せば届くものではなく、共鳴をどの方向に集めるかによって、音の通りやすさや明瞭さが大きく変わります。

多くの人は、響きを漠然と頭や胸に向けてしまい、結果として声がぼやけたりこもったりします。

響きの方向として効果的なのは、「上唇の裏から眉間にかけてのエリア」に集める意識を持つことです。

この方向に音を“当てる”のではなく、“響きを集める”感覚をもつと、声が一点にまとまり、抜けのよい芯のある音になります。

また、響きを方向づけることは、喉声から脱却し、体全体で響かせる声へと導く大きな助けになります。

響きの「場所」を意識するだけで、声の印象は劇的に変化します。

Step4:丹田で支える

響きのある声を安定して出すためには、「丹田で支える」ことが不可欠です。

丹田とは、おへその下あたりの体の中心にある“力の支点”で、武道や呼吸法でも重要視される部分です。

発声においても、ここを意識して息を支えることで、声にブレのない土台が生まれます。

支えがないと、息が浅くなりやすく、喉で無理に声を出そうとして力みやすくなります。

丹田で支える感覚は、背中からゆっくり息を吸い、下腹の奥に圧がかかるように息を保つことで養われます。

そこから息を止めずに、安定して吐き出すことで、声が芯を持って自然に響きます。

これは「腹式呼吸」とは似て非なる、“内側から支える感覚”です。

丹田が使えるようになると、喉の脱力・響きの安定・息の持続性が飛躍的に向上します。

Step5:芯のある柔らかい声をつくる

響きのある声の仕上げとして重要なのが、「芯のある柔らかい声」をつくることです。

これは、地声の“太さ”と裏声の“しなやかさ”を統合させた、無理のない響きのある声のことを指します。

多くの人は、高音になると裏声で逃げたり、地声で押し上げようとして喉に負担をかけてしまいます。

しかし、芯のある柔らかい声は、息の流れ・喉の脱力・響きの方向が整った中で初めて実現します。

具体的には、裏声を細くまっすぐに出す練習を繰り返し、そこに地声の支えを少しずつ加えていく方法が効果的です。

また、響きを前(上唇〜眉間)に集める意識を保つことで、音の軸がぶれずに、かつ優しく響く声が育ちます。

この声は、聴き手にとっても心地よく、かつ届きやすいという大きな魅力を持っています。

 

よくある質問・不安への回答

Q:私はもともと声が小さいのですが、通る声になりますか?

A:はい、声の通りやすさは“声の大きさ”ではなく、“響きの質”と“息の流れ”で決まります。

生まれつき声が小さい方でも、適切な体の使い方と共鳴の技術を身につければ、無理なく通る声は手に入ります。

多くの人は「大きな声=通る声」と誤解しがちですが、実際には、息を止めずに流し、響きを適切な方向(上唇〜眉間)に集めることで、自然と前に飛ぶ声が生まれます。

これは喉に力を入れる必要がないため、体にも優しく、聞き手にも明瞭に届く声となります。

特に個人レッスンでは、その人に合った「支え方」や「響きの育て方」を丁寧に指導できるため、小さな声でもしっかり通るようになります。

声の大きさではなく、「質と方向」が通る声の鍵です。

Q:高齢でも響きのある声は身につきますか?

A:はい、高齢の方でも響きのある声は十分に身につけることができます。

声帯や筋力は年齢とともに変化しますが、響きのある声を出すために必要なのは“筋力”よりも“使い方”です。

特に、丹田で息を支え、喉を締めずに共鳴腔(口腔・咽頭腔)に響かせる発声は、年齢を問わず習得可能です。

むしろ、高齢者にとっては喉に負担をかけず、息の流れと姿勢を整えるこの発声法が、声の若返りや健康維持にもつながります。

実際、正しい体の使い方と呼吸法を学ぶことで、長年使っていなかった響きがよみがえり、「こんな声が出せるなんて」と驚かれる方も多いです。

年齢に関係なく、丁寧なレッスンで身体感覚を取り戻すことで、響きのある声は確実に育てることができます。

Q:個人レッスンではどんなことをしますか?

A:個人レッスンでは、まずあなたの現在の声の状態や癖を丁寧にチェックすることから始まります。

姿勢・呼吸・発声の流れ・響きの方向性などを細かく観察し、「なぜ声が通らないのか」「響かないのか」といった原因を明らかにします。

そのうえで、あなたの課題や目標に合わせて、必要な基礎練習や体の使い方、響きを導くトレーニングをマンツーマンで進めていきます。

レッスンでは、「息を流しながら声を出す」「喉を締めずに響きを前へ導く」「丹田で支える」といった感覚を体験的に身につけられるよう、段階的に指導します。

画一的なメニューではなく、その人の声や身体に合わせた内容になるため、効果が早く実感しやすいのが個人レッスンの大きな魅力です。

 

まとめ

大阪市 小谷ボイストレーニング教室のレッスン風景

通る声や響きのある声は、生まれつきの才能ではなく、正しい知識と訓練によって誰でも習得できる“技術”です。

喉の力だけで声を出そうとするのではなく、息の流れ・身体の支え・響きの方向という三つの要素を整えることで、声は自然に前へと飛び、耳に心地よく届くようになります。

声楽の個人レッスンでは、自分に合った体の使い方や響かせ方を丁寧に指導してもらえるため、独学では気づけない発声の癖や限界を超えていくことができます。

年齢や体力に関係なく、丹田を意識した安定した支えと共鳴の技術を身につければ、誰でも“通る声”を育てることが可能です。

声が変わると、歌だけでなく話し方や印象も変わります。

本来の響きを取り戻し、あなたらしい声で自由に表現できる世界がきっと待っています。

 

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