「昔は歌えていた高音が、今はどうしても届かない。」
「合唱やカラオケは続けているけど、“あの音”で必ず声が裏返る…」
「地声のまま押し上げると喉が苦しく、裏声だと頼りない。」
――こんな悩み、30代以降の大人の方にこそ多く寄せられます。
若い頃は気にならなかった“声の壁”――それが「パッサージョ(声区移行点)」です。
しかし、年齢やブランクを理由に諦める必要はありません。
むしろ大人世代だからこそ、体や意識の変化を味方にして、「自分だけの克服メソッド」が見つかるチャンスがあります。
ここでは、声楽の個人レッスンで「大人世代」がパッサージョを乗り越えるための現場ノウハウと、無理のないアプローチ法をまとめます。
目次
パッサージョとは?~「今の自分の声」と出会い直す
大人になると、声帯や筋肉の変化、生活リズム、習慣による「声の癖」が積み重なり、パッサージョが以前より難しく感じられる方も増えます。
昔と同じ歌い方をしても、体も発声も変わっている――まずはそこを受け入れることが、克服の第一歩です。
なぜ大人になるとパッサージョでつまずきやすいのか
・喉や首に余計な力が入りやすい
・自分の声を“聴き直す”機会が少なくなっている
・独学のクセが抜けない
こうした大人ならではの背景が、パッサージョの乗り越えを難しくしている原因かもしれません。
でも逆に言えば、「意識して呼吸を深くする」「身体全体で声を感じる」「客観的な耳を持つ」など、大人だからできる新しいアプローチが可能です。
個人レッスンだからこそ“あなた仕様”でできる克服法
パッサージョの位置や“つまずき方”は、年齢・経験・身体によって千差万別。
個人レッスンでは、その人の生活ペースや身体のクセ、昔の経験まで丁寧に観察し、「今」の声に合わせた練習メニューを作ることができます。
たとえば:
・日々の生活で固くなった背中・脇腹をほぐすストレッチを取り入れる
・合唱や独学で染みついた“喉で押し上げるクセ”を、呼吸と身体の使い方から見直す
・「録音→再生」で“思い込み”と“実際の響き”のギャップを知る
・自宅でできる小さな習慣(ハミング・呼吸エクササイズ)を日課にする
大人世代のパッサージョ克服ポイント
1.呼吸の“新習慣”で土台作り
深い呼吸ができると、高音への橋渡しがスムーズに。
「腹式呼吸」に固執せず、「背中や脇腹まで息が広がる感覚」を日々意識するのがコツ。
2.“力を抜く練習”を主軸に
大人世代は力みやすい傾向が強いので、「喉・首・肩の脱力」「声の響きを上唇から眉間エリアへ導く」習慣を大切に。
3.裏声も“芯を残す”意識で磨く
大人になると裏声がかすれやすくなりますが、無理せず小さく芯のある裏声を毎日出すことで、パッサージョのつながりが良くなります。
4.“耳”を育て直す
録音して自分の声を聴き返す、「どこで声が切り替わるか」「どの音で苦しくなるか」を客観的に把握する習慣を持ちましょう。
5.無理をしない、小さな成功体験を積む
いきなり高音・大音量を目指すのではなく、小さくてもしっかり響く声で「一本の帯のようにつなぐ」感覚を目指しましょう。
現場のエピソード:合唱歴40年・50代女性の場合
「昔は難なく歌えていた高音で、ここ数年どうしても声がひっくり返るように。
個人レッスンで“背中呼吸”と“響きの方向”を意識し直し、毎日短時間でも裏声を優しく出す練習を続けていたら、パッサージョで急に声が途切れなくなりました。
自分の録音を聴いて、『前よりずっと楽に、なめらかにつながっている』のを実感できたとき、また新しい楽しみが増えました。」
大人世代のための、おすすめ自宅エクササイズ
・背中や脇腹を伸ばしながらのゆっくり深呼吸
・“ンー”で響きを眉間方向に集める軽いハミング
・短いフレーズを地声~裏声まで小さな音でつなぐ練習
・鏡の前で脱力チェック(首、肩、顔)
まとめ:大人世代のパッサージョ克服は「変化を受け入れること」から
パッサージョは、若い頃の自分との“違い”を知り、「今の身体」「今の声」と向き合い直すチャンスでもあります。
個人レッスンというマンツーマンの場を活用して、「無理なく」「地道に」自分だけの乗り越え方を見つけていきましょう。
年齢や経験を重ねてきた“あなただからこそ”、気づける声の変化、育てられる響きがあります。
新しい自分の声との出会いを、ぜひ楽しんでください。
当教室のボイトレを試してみませんか?
もし、あなたが声のお悩みを改善したいとお考えなら、しかも自分に合った改善方法を知りたいとお考えなら、一度、当ボイストレーニング教室の体験レッスン(40分)に参加してみませんか?
ぜひ一度、当教室のオリジナルメソッド「丹田発声法」をレッスンで体験してみてください。
そして、あなたの声が美しく、または力強く変化するかどうかを、ぜひお試しください。
お申し込み・お問い合わせは・お電話・ネットから
声楽個人レッスンのおすすめ記事