声楽曲を歌っていると、高音で喉が締まる。長いフレーズの後半で苦しくなる。先生から「喉を開いて」と言われても、どうすればよいのか分からない。

このような悩みがあると、口を大きく開けたり、喉仏を下げたり、舌や顎の力を抜こうとしたりする方は多いです。

しかし、喉を開こうと意識しすぎるほど、かえって喉に余計な力が入り、声が出しにくくなることがあります。

声楽曲で喉が締まる原因は、喉が開かないことだけではありません。多くの場合、発声のバランスが崩れ、喉だけで声を無理やり出そうとしていることが関係しています。

この記事では、声楽曲を歌うと喉が締まる理由、喉を無理に開こうとすると苦しくなる理由、そして喉に余計な力が入りにくい発声へ近づくための改善法を順を追って見ていきます。

声楽曲を歌うと喉が締まる・開かない原因とは

声楽曲を歌うと喉が締まる原因は、喉だけにあるとは限りません。

喉に余計な力が入ると声は出しにくくなりますが、そのきっかけは呼気の弱さ、声帯振動の不安定さ、共鳴腔の狭さなど、発声のバランスの乱れにあることが多いです。

まずは、声楽曲で起きる「喉が締まる」「喉が開かない」という状態を順を追って見ていきます。

喉が締まるとは、喉に余計な力が入って声が出しにくくなる状態

喉が締まるとは、声を出すときに喉に余計な力が入り、声が出しにくくなる状態です。

声楽曲を歌っているときに、首の前側が硬くなる、高音で声が詰まる、声が伸びない、母音が重くなる、という感覚が出ることがあります。

これらは、喉だけで声を無理やり出そうとしているときに起こりやすい状態です。

本来、声は呼気が流れ、その呼気に声帯が反応し、共鳴腔で声が整うことで生まれます。

しかし、この流れがうまく働かないと、喉に余計な力が入りやすくなります。

特に声楽曲では、日常会話よりも高い音、長い音、強い響き、はっきりした発音が求められます。

そのため、発声のバランスが乱れていると、普段の会話では気づかなかった喉の力みが出やすくなります。

「喉が開かない」は喉だけの問題とは限らない

「喉が開かない」と感じると、喉を広げようとしたり、口を大きく開けようとしたりする方が多いです。

しかし、喉が開かない原因は、喉そのものだけにあるとは限りません。

たとえば、呼気の流れが弱いと、声帯振動が安定しにくくなります。

声帯振動が安定しないと、声が途中で不安定になります。

その不安定さを止めようとして、喉に余計な力が入りやすくなります。

また、共鳴腔が狭くなると、声が細くなりやすくなります。

声が細く感じると、さらに声を出そうとして、喉だけで声を無理やり出そうとすることがあります。

つまり、「喉が開かない」と感じていても、実際には呼気、声帯振動、共鳴腔の働きがうまく合っていない場合があります。

喉だけを変えようとしても改善しにくいのは、このためです。

声楽曲では高音・長いフレーズ・正確な発音で喉に負担が出やすい

声楽曲では、高音、長いフレーズ、正確な発音によって、喉に余計な力が入りやすくなります。

高音では、声帯が細かく働く必要があります。

このとき呼気の流れが不安定だと、声帯振動が安定しにくくなり、喉だけで音を保とうとしやすくなります。

長いフレーズでは、呼気の流れを保つ必要があります。

途中で呼気が弱くなると、声が途切れそうになります。

その瞬間に、喉に力を入れて声を保とうとすることがあります。

正確な発音も、声楽曲では大切です。

ただし、発音を意識しすぎると、舌、顎、唇を強く使いすぎることがあります。

その結果、呼気の流れが止まりやすくなり、喉にも余計な力が入りやすくなります。

声楽曲で喉が締まる場合は、「喉が弱い」「喉が開かない」と決めつける前に、発声のバランスが乱れていないかを見ることが大切です。

関連記事:喉で歌わない方法|プロが教える喉が楽になる発声法

「喉を開こう」とするほど喉に余計な力が入る理由

喉を開こうと意識しすぎると、かえって喉に余計な力が入ることがあります。

声楽では「喉を開く」という言葉がよく使われますが、それを口の大きさ、喉仏の位置、舌や顎の形だけで作ろうとすると、声が出しにくくなる場合があります。

ここでは、喉を開こうとして苦しくなりやすい理由を順に見ていきます。

無理やり口を大きく開くと喉に力が入りやすい

無理やり口を大きく開くと、喉に余計な力が入りやすくなります。

声楽では「口を開けて」「喉を開いて」と言われることがあります。

そのため、口を大きく開けば声が響くと思う方も多いです。

しかし、口を大きく開けすぎると、顎に力が入りやすくなります。

顎に力が入ると、舌の動きも重くなります。

その影響で、喉にも余計な力が入り、声が出しにくくなることがあります。

声楽で必要なのは、ただ口を大きく開けることではありません。

呼気が流れ、声帯振動が安定し、共鳴腔で声が整うことです。

口の大きさだけを意識すると、発声のバランスが崩れやすくなります。

その結果、声を響かせようとしているのに、かえって声が細くなったり、母音が重くなったりします。

喉仏を下げようとすると声が出しにくくなることがある

喉仏を下げようとしすぎると、声が出しにくくなることがあります。

低く深い響きを出そうとして、喉仏を下げようとする方がいます。

たしかに、喉頭の位置は声の響きに関係します。

ただし、喉仏を意識して下げようとすると、喉に余計な力が入りやすくなります。

喉頭は、喉の外側にある筋肉によって支えられています。

この筋肉の働きが偏ると、喉頭の位置が不安定になり、声帯振動も安定しにくくなります。

その状態で歌おうとすると、声が重くなったり、高音に上がりにくくなったりします。

深い声を出そうとしているのに、結果として声がこもることもあります。

大切なのは、喉仏の位置を無理に変えることではありません。

呼気の流れに声帯が反応し、喉頭が安定して働ける状態を作ることです。

舌や顎を意識しすぎると母音が重くなる

舌や顎を意識しすぎると、母音が重くなり、喉に余計な力が入りやすくなります。

声楽曲では、母音をきれいに響かせることが大切です。

ただし、母音を作ろうとして舌や顎を強く使いすぎると、呼気の流れが止まりやすくなります。

たとえば、「あ」を大きく作ろうとして顎を開きすぎる。

「お」や「う」を深くしようとして、舌を強く下げる。

このような歌い方になると、言葉ははっきりしているように感じても、声は重くなりやすいです。

母音は、喉だけで作るものではありません。

呼気の流れ、声帯振動、共鳴腔の状態が合うことで、声楽曲に必要な母音の響きに近づきます。

そのため、舌や顎を意識しすぎている方は、まず「呼気の流れが止まっていないか」を確認することが大切です。

関連記事:フースラーメソード徹底解説⑦唇・舌・口蓋・口蓋垂の問題と新説でフースラーが伝えたい事

声楽曲で喉が締まりやすい場面

声楽曲では、高音、正確な発音、長いフレーズで喉に余計な力が入りやすくなります。

どれも声楽では大切な要素ですが、発声のバランスが崩れていると、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

ここでは、声楽曲で喉が締まりやすい場面を順に見ていきます。

高音で喉が締まる理由

高音で喉が締まるのは、声帯振動が安定しないまま高い音を出そうとするためです。

高音では、声帯が低音のときとは違う働きをします。

ただ強く声を出せば高音になるわけではありません。

しかし、高音になると、多くの方は「もっと出さなければ」と感じます。

その結果、喉に力を入れて音を上げようとしやすくなります。

本来は、呼気の流れがあり、その流れに声帯が反応することで高音が出しやすくなります。

ところが、呼気の流れが不安定だと、声帯振動も安定しにくくなります。

その状態で高音を出そうとすると、喉だけで声を無理やり出そうとしてしまいます。

すると、声が詰まる、音程が上がりきらない、響きが細くなる、歌った後に喉が疲れる、といった状態になりやすいです。

高音で喉が締まる場合は、高音そのものを強く練習する前に、呼気の流れと声帯振動が合っているかを確認することが大切です。

正確な発音を意識しすぎると喉に余計な力が入る理由

正確な発音を意識しすぎると、喉に余計な力が入りやすくなります。

声楽曲では、日本語だけでなく、イタリア語、ドイツ語、フランス語などの歌詞を歌うことがあります。

そのため、子音や母音を正確に出そうとする意識は大切です。

しかし、発音をはっきりさせようとしすぎると、舌、顎、唇を強く使いすぎることがあります。

特に子音を強く出そうとすると、呼気の流れが止まりやすくなります。

呼気の流れが止まると、声帯振動も不安定になります。

その不安定さを補うために、喉に余計な力が入りやすくなります。

また、母音の形をきれいに保とうとしすぎると、口や舌の形を保つことに意識が向きすぎます。

その結果、声が重くなったり、言葉ははっきりしているのに響きが広がりにくくなったりします。

発音は大切です。

ただし、発音だけを優先すると、発声のバランスが崩れやすくなります。

声楽曲では、発音を正確にしながらも、呼気の流れを止めないことが大切です。

言葉を作ることと、声を出すことが別々になると、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

アリアや長いフレーズの後半で苦しくなる理由

アリアや長いフレーズの後半で苦しくなるのは、呼気の流れが保ちにくくなり、喉に余計な力が入りやすくなるためです。

長いフレーズでは、最初だけ声が出ても、最後まで同じように歌うのは簡単ではありません。

途中で呼気の流れが弱くなると、声が細くなったり、音程が不安定になったりします。

このとき、多くの方は声を保とうとして喉に力を入れます。

すると、一時的には声が出ているように感じても、フレーズの後半ほど苦しくなります。

特にアリアでは、音域、音量、発音、表現を同時に求められます。

そのため、呼気の流れが不安定なまま歌うと、喉への負担が大きくなりやすいです。

大切なのは、最後まで強く息を出すことではありません。

呼気の流れを安定させ、声帯振動が無理なく続く状態に近づけることです。

フレーズの後半で喉が締まる人は、体力不足だけが原因とは限りません。

呼気の流れと声帯振動の関係が崩れ、喉だけで声を保とうとしている可能性があります。

関連記事:オペラアリアで息が続かない原因と対策|息の流れを安定させる正しい腹圧とは

声楽曲で喉が締まる本当の原因は発声のバランスの崩れ

声楽曲で喉が締まる本当の原因は、喉だけにあるわけではありません。

呼気、声帯振動、共鳴腔の働きが合わなくなると、喉に余計な力が入りやすくなります。

ここでは、喉が締まる流れを順を追って見ていきます。

呼気が弱いと声帯振動が安定しにくい

呼気が弱いと、声帯振動は安定しにくくなります。

声は、呼気が流れ、その呼気に声帯が反応することで生まれます。

声帯だけで声を出しているわけではありません。

呼気は、声を出すための動力です。

この動力が弱いと、声帯振動が不安定になりやすくなります。

声楽曲では、会話より高い音や長いフレーズが求められます。

そのため、呼気の流れが弱いままだと、高音や長いフレーズで声帯がうまく働きにくくなります。

すると、声が細くなる、音程が不安定になる、声が伸びない、という状態が出やすくなります。

小谷メソッドでは、喉の問題に見えても、まず呼気の流れを確認します。

呼気が安定していないまま喉だけを変えようとしても、声帯振動が安定しにくいからです。

声帯振動が安定しないと喉だけで声を無理やり出そうとする

声帯振動が安定しないと、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

声帯振動が安定していると、声は少ない力でも出しやすくなります。

反対に、声帯振動が不安定になると、声が出たり出なかったりします。

このとき、多くの方は「もっと出さなければ」と感じます。

そして、喉に力を入れて声を保とうとします。

しかし、喉に力を入れても、声帯振動そのものが安定するわけではありません。

むしろ、喉に余計な力が入ることで、声帯が細かく働きにくくなります。

その結果、高音が苦しくなる、声が詰まる、フレーズの後半で喉が疲れる、といった状態が起こりやすくなります。

声楽曲で大切なのは、喉だけで頑張ることではありません。

呼気の流れに声帯が反応し、その振動が無理なく続く状態に近づけることです。

共鳴腔が狭くなると声が細くなりやすい

共鳴腔が狭くなると、声は細くなりやすくなります。

声帯で生まれた音は、そのままでは声として完成しません。

共鳴腔を通ることで、声の響きが整います。

この共鳴腔の状態が狭くなると、声は細くなりやすくなります。

声が細く感じると、さらに大きく出そうとして、喉に余計な力が入りやすくなります。

ただし、ここで大切なのは、共鳴腔を無理に広げようとしないことです。

喉仏を下げる、舌を下げる、口を大きく開ける、という形だけで響きを作ろうとすると、かえって発声のバランスが崩れやすくなります。

共鳴は、呼気の流れと声帯振動が合い、喉頭が安定して働くことで生まれやすくなります。

つまり、声の響きを良くしたいときも、喉だけを見るのではなく、呼気、声帯振動、共鳴腔の働きを一つの流れとして見る必要があります。

声楽曲で喉が締まる人は、「喉を開く」ことだけを目指すより、まず発声のバランスを立て直すことが大切です。

関連記事:共鳴のボイトレで歌が変わる!声が劇的に響くようになる声の響きの向き

喉を無理に開かず楽に歌うための改善法

喉を無理に開かず楽に歌うためには、喉だけを変えようとするのではなく、まず呼気の流れを安定させることが大切です。

呼気が安定すると、声帯振動も安定しやすくなり、喉に余計な力が入りにくくなります。

ここでは、声楽曲で喉が締まりやすい人が見直したい練習の順番を見ていきます。

まず丹田を意識して呼気の流れを作る

声楽曲で喉が締まりやすい人は、まず丹田を意識して呼気の流れを作ることが大切です。

丹田とは、おへその少し下あたりを指す言葉です。

実際に丹田という器官があるわけではありませんが、呼吸を安定させる目安として使うことができます。

声を出すとき、呼気は声の動力になります。

この動力が弱いと、声帯振動が安定しにくくなり、喉に余計な力が入りやすくなります。

そのため、いきなり喉を開こうとするより、まず丹田のあたりを意識して、息が下から流れ出す感覚を確認します。

下腹部が働くと、肺の中の空気が外へ流れやすくなります。

ただし、息を強く出せばよいわけではありません。

強く息を出しすぎると、声帯がその勢いを受け止めきれず、声が不安定になることがあります。

大切なのは、息を強くすることではなく、呼気の流れを安定させることです。

呼気が安定すると、喉だけで声を無理やり出そうとしにくくなります。

呼気に声帯が自然に反応する感覚を確認する

次に大切なのは、呼気に声帯が自然に反応する感覚を確認することです。

声は、喉だけで作るものではありません。

呼気が流れ、その呼気に声帯が反応することで声が生まれます。

たとえば、小さく「まー」「もー」と出してみたときに、喉で力を入れて声を作っている感覚が強い場合は、呼気と声帯振動が合っていない可能性があります。

反対に、呼気の流れに声が自然に乗る感覚があると、喉に余計な力が入りにくくなります。

最初から高音や大きな声で練習する必要はありません。

低めの音や中くらいの音で、喉に力を入れずに声が出るかを確認します。

発声のバランスを取り戻すには、まず楽に出せる音で、呼気と声帯振動が合う感覚を確認することが大切です。

ハミングや軽い母音で共鳴腔の広がりを確認する

ハミングや軽い母音は、喉に余計な力を入れずに響きを確認しやすい練習です。

共鳴腔とは、声帯で生まれた音が通る空間です。

この空間の状態によって、声の太さや響き方が変わります。

ただし、共鳴腔を広げようとして、喉仏を下げたり、舌を押し下げたりする必要はありません。

形を作ろうとしすぎると、喉に余計な力が入りやすくなります。

まずは小さめのハミングで、鼻や口の中に響きが感じられるかを確認します。

その後、「ま」「も」「む」などの軽い母音につなげて、呼気の流れが止まらないかを見ます。

このとき大切なのは、響きを大きく作ろうとしないことです。

喉に余計な力が入らない状態で、声が共鳴腔を通っているかを確認します。

声が細いと感じると、すぐに大きく出したくなります。

しかし、まずは小さくても楽に響く声を確認することが、喉が締まりにくい発声につながります。

短時間でこまめに練習する

喉が締まりにくい発声に近づくには、短時間でこまめに練習することが大切です。

声楽曲は、一度の練習で急に楽に歌えるようになるものではありません。

呼気、声帯振動、共鳴腔の働きが合う状態を、少しずつ体に覚えさせていく必要があります。

長時間まとめて練習すると、疲れてきたところで喉に余計な力が入りやすくなります。

特に喉が締まりやすい人は、疲れた状態で高音や長いフレーズを何度も歌うと、喉だけで声を無理やり出そうとする癖がつきやすくなります。

そのため、最初は短い時間で構いません。

丹田を意識した呼気、軽い発声、ハミング、短いフレーズを、無理のない範囲でこまめに行う方が効果的です。

練習の目的は、喉を強くすることではありません。

呼気が流れ、声帯振動が安定し、共鳴腔で声が整う流れを身につけることです。

声楽曲で喉が締まりやすい人ほど、喉を開こうとする前に、練習の順番を見直すことが大切です。

関連記事:アッポッジョの声楽発声を極める|丹田発声で響きを深める5つの練習法

やってはいけない喉の開き方

喉が締まる人ほど、喉を開こうとして無理な形を作りやすくなります。

しかし、喉仏、舌、顎、口の開き方を無理に変えると、かえって喉に余計な力が入りやすくなります。

ここでは、声楽曲で喉が締まりやすい人が避けたい練習を順に見ていきます。

喉仏を無理に下げる

喉仏を無理に下げると、声が出しにくくなることがあります。

声楽では、深い響きを出すために「喉を下げる」「喉を開く」と言われることがあります。

ただし、喉仏を意識して下げようとすると、喉に余計な力が入りやすくなります。

喉頭は、喉の外側にある筋肉によって支えられています。

そのため、喉仏だけを下げようとすると、喉頭の位置が不安定になり、声帯振動も安定しにくくなります。

その結果、声が重くなる、高音が出しにくくなる、母音がこもる、という状態になりやすいです。

深い声は、喉仏を無理に下げて作るものではありません。

呼気の流れがあり、声帯振動が安定し、共鳴腔で声が整うことで生まれやすくなります。

舌根を押し下げる

舌根を押し下げると、喉に余計な力が入りやすくなります。

「喉を開くために舌を下げる」と考える方もいます。

しかし、舌を強く下げようとすると、舌全体が重くなり、発音もしにくくなります。

舌は、母音や子音を作るうえで大切な部分です。

その舌に力が入りすぎると、呼気の流れが止まりやすくなります。

呼気の流れが止まると、声帯振動も不安定になりやすくなります。

その不安定さを補おうとして、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

声楽曲では、発音を正確にすることも大切です。

しかし、舌根を押し下げて母音を作ろうとすると、言葉も声も重くなります。

舌は押し下げるのではなく、呼気の流れを止めない範囲で働かせることが大切です。

口を大きく開けすぎる

口を大きく開けすぎると、顎に力が入り、喉にも余計な力が入りやすくなります。

声楽では、口をしっかり開けることが必要な場面もあります。

ただし、口を大きく開ければ声が響くわけではありません。

口を無理に開けすぎると、顎が硬くなります。

顎が硬くなると、舌の動きも重くなります。

その結果、母音が作りにくくなり、喉にも力が入りやすくなります。

特に高音では、口を大きく開けようとするほど、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

声が大きくなったように感じても、実際には響きが細くなることがあります。

口は大きく開けることよりも、呼気の流れを止めず、母音が無理なく出ることが大切です。

痛みや声枯れを我慢して歌い続ける

痛みや声枯れがある状態で歌い続けるのは避けるべきです。

声楽曲を練習していると、「もう少しで出そう」「ここを越えれば楽になる」と思って、無理をしてしまうことがあります。

しかし、喉に痛みがある、声枯れが続く、声を出すたびに違和感がある場合は、練習を続けない方が安全です。

喉に余計な力が入ったまま歌い続けると、その出し方が癖になることがあります。

また、痛みや声枯れが長引く場合は、発声の問題だけではなく、喉の状態そのものを確認する必要があります。

この場合は、無理に歌い続けず、必要に応じて耳鼻咽喉科で確認してください。

ボイストレーニングでできることと、医療で確認すべきことは分けて考えることが大切です。

声楽曲で喉が締まる人ほど、頑張って出す練習よりも、喉に余計な力が入りにくい条件を作ることが重要です。

声楽曲で喉が締まる人が最初に見直すべきこと

声楽曲で喉が締まる人は、喉だけを変えようとする前に、呼気の流れ、発音への意識、高音練習のやり方を見直すことが大切です。

喉の開き方だけを探しても、発声のバランスが乱れたままでは、同じ悩みが続きやすくなります。

ここでは、最初に見直したいポイントを順に見ていきます。

喉より先に呼気の安定を確認する

声楽曲で喉が締まる人は、まず喉より先に呼気の安定を確認することが大切です。

声は、呼気の流れに声帯が反応することで生まれます。

そのため、呼気が弱かったり、不安定だったりすると、声帯振動も安定しにくくなります。

この状態で喉を開こうとしても、改善しにくいです。

声を出すための動力が足りないまま、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなるからです。

確認するポイントは、声を出す前から息が止まっていないか、歌い出しで喉に力が入っていないか、フレーズの途中で呼気の流れが急に弱くなっていないかです。

特に声楽曲では、音の高さ、長さ、発音、響きが同時に求められます。

呼気が安定していないと、その要求に喉だけで対応しようとしてしまいます。

喉が締まる人ほど、まず丹田を意識して、呼気の流れが安定しているかを見直す必要があります。

正確な発音を意識しすぎていないか確認する

声楽曲で喉が締まる人は、正確な発音を意識しすぎていないか確認することも大切です。

発音を正確にすることは、声楽では重要です。

ただし、発音をきれいにしようとしすぎると、舌、顎、唇を強く使いすぎることがあります。

たとえば、子音をはっきり出そうとして呼気の流れが止まる。

母音の形を保とうとして、顎や舌に力が入る。

このような状態になると、言葉は明確に出しているつもりでも、声は重くなりやすいです。

発音は、口や舌だけで作るものではありません。

呼気の流れがあり、その流れに声帯が反応し、共鳴腔を通ることで、言葉と響きが合いやすくなります。

正確な発音を意識するあまり、呼気の流れが止まっていないか。

母音を保とうとして、喉に余計な力が入っていないか。

ここを見直すことで、声楽曲の歌いやすさが変わることがあります。

高音だけを練習しすぎていないか確認する

高音で喉が締まる人は、高音だけを練習しすぎていないか確認することが大切です。

高音が苦しいと、高音を何度も練習したくなります。

しかし、発声のバランスが乱れたまま高音だけを繰り返すと、喉に余計な力が入る歌い方が癖になりやすくなります。

高音は、喉だけで出すものではありません。

呼気の流れがあり、声帯振動が安定し、共鳴腔で声が整うことで出しやすくなります。

そのため、高音が出ないからといって、高音だけを強く練習しても根本的な改善につながりにくいです。

まずは中音域で、呼気の流れと声帯振動が合っているかを確認する必要があります。

中音域で喉に余計な力が入っている場合、高音ではさらに苦しくなります。

反対に、中音域で発声のバランスが整ってくると、高音でも喉だけに頼りにくくなります。

声楽曲で高音が苦しい人ほど、いきなり高音を攻めるのではなく、まず楽に出せる音域で発声のバランスを見直すことが大切です。

関連記事:声楽で高音の出し方を徹底解説!高音域を安定させる練習ポイント

まとめ:喉を開くのではなく、喉が自然に開きやすい状態を作る

喉が締まる原因は喉だけではない

声楽曲で喉が締まる原因は、喉だけにあるとは限りません。

高音、長いフレーズ、正確な発音に対応しようとしたとき、発声のバランスが崩れると、喉だけで声を無理やり出そうとしやすくなります。

喉を無理に開こうとすると、かえって喉に余計な力が入りやすい

喉を開こうとして、口を大きく開けすぎる。

喉仏を無理に下げる。

舌根を押し下げる。

このような方法では、かえって喉に余計な力が入りやすくなります。

呼気・声帯振動・共鳴腔の働きが合うと、声楽曲は楽に歌いやすくなる

大切なのは、喉だけを変えようとすることではありません。

まず呼気の流れを安定させ、その呼気に声帯振動が反応し、共鳴腔で声が整う流れを作ることです。

声楽曲で喉が締まりやすい人は、喉の開き方だけを探すのではなく、丹田を意識した呼気、声帯振動、共鳴腔の働きを一つの流れとして見直してみてください。

喉が自然に開きやすい状態は、無理に作るものではありません。

呼気の流れ、声帯振動、共鳴腔の働きが合うことで、喉に余計な力が入りにくくなり、声楽曲を今より楽に歌いやすくなります。

 

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