「高い声を出そうとすると、喉が苦しくなる」「気づいたら喉仏が上がって声が安定しない」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、多くの人が高音発声の際に無意識のうちに喉仏を引き上げてしまい、喉に負担をかけています。
この状態では、声の響きも浅くなり、思うように高音が出せなくなる原因に。
本記事では、高い声を出すたびに喉仏が上がってしまう方に向けて、喉を無理に使わず、自然に高音を響かせるためのボイストレーニングを5つご紹介します。
正しい体の使い方を知れば、喉仏の動きをコントロールしながら、ラクに高音を出せるようになります。
目次
高い声で喉仏が上がる根本原因
緊張
高い声を出そうとすると喉仏が上がってしまう原因のひとつに「緊張」があります。
特に喉や首周辺の筋肉に力が入ると、喉仏を構成する甲状軟骨が上方向に引き上げられやすくなります。
これは身体が無意識に声を出そうと力むことで起こる生理的反応です。
緊張すると交感神経が優位になり、呼吸が浅くなり、喉周辺に過剰な筋収縮が起きやすくなります。
その結果、喉仏が上がった状態で声を出すクセがつき、高音域で喉が詰まるような感覚や、声が不安定になる原因になります。
このような緊張による喉仏の上昇は、正しい呼吸や発声の習慣づけによって改善が可能です。
力の入れ過ぎ
高い声を出そうとすると喉仏が上がる原因の一つに「力の入れ過ぎ」があります。
高音を出す際に無理に声を張り上げようとすると、喉や首、肩周辺の筋肉に過剰な力が入ってしまいます。
その結果、喉仏を支える筋肉が上方向に緊張し、甲状軟骨が引き上げられてしまうのです。
とくに外喉頭筋群が過活動になると、喉仏の自然な動きを妨げ、喉全体が硬直してしまいます。
このように力みが生じることで、発声時に喉仏が上がり、音色が鋭くなったり、声帯に余計な圧力がかかったりする原因となります。
本来、高音は喉の力を抜いたまま、息の流れと共鳴の調整によって無理なく出すことが理想です。
息の使い方
高い声で喉仏が上がってしまう原因の一つに「息の使い方の誤り」があります。
多くの場合、高音を出す際に息を強く押し出そうとしすぎてしまい、過剰な呼気圧が喉に負担をかけます。
この圧力に対抗するために喉周辺の筋肉が緊張し、結果的に喉仏が上がってしまうのです。
また、息を浅く速く吸う癖があると、呼吸が胸式に偏り、喉や首に力が入りやすくなります。
その結果、喉仏の自然な位置が保てず、発声時に不安定な動きが生じます。
本来、喉仏は過度に動かさず、安定した息の流れの中で自然に共鳴を支えるべきです。
息をコントロールできていないと、喉に頼る発声になり、喉仏が上がる原因となります。
高い声で喉仏を安定させるためのポイント
リラックス
喉や首まわり、肩、顎などに力が入っていると、喉仏を支える筋肉が過剰に緊張し、甲状軟骨が上に引っ張られてしまいます。
この状態では喉が硬直し、声の通り道が狭くなり、高音が出しにくくなるだけでなく、声帯にも無理な圧がかかります。
リラックスした状態では、喉仏を支える筋肉が柔軟に働き、余計な動きを抑えることができます。
そのため、首や喉の脱力を意識したストレッチや深い呼吸を取り入れることで、喉仏の位置を安定させやすくなります。
特に高音を出す前には、軽くあくびをするような喉の開きや、深くゆっくり息を吸うことで、身体全体の緊張を緩めておくことが有効です。
正しい姿勢
高い声で喉仏を安定させるためには「正しい姿勢」が欠かせません。
姿勢が崩れていると、喉仏を支える筋肉や呼吸に関わる筋群に偏った緊張が生じ、喉仏が不安定に動きやすくなります。
猫背のように首が前に出た姿勢では、喉が圧迫されて息の通り道が狭くなり、無意識に喉に力が入って喉仏が上がりやすくなります。
正しい姿勢とは、耳・肩・腰・かかとが一直線に並び、首が自然に伸びた状態です。
この姿勢を保つことで、横隔膜が自由に動き、安定した呼吸が可能になり、喉に余計な力を入れずに高音を出すことができます。
結果として、喉仏が自然な位置に保たれ、無理なく共鳴を伴った高音を響かせることができるのです。
深い呼吸
高い声で喉仏を安定させるためには「深い呼吸」が非常に重要です。
浅く速い呼吸では、息が十分に支えられず、発声時に喉に頼るクセがつき、喉仏が不安定に動きやすくなります。
特に高音では息の圧が強くなりがちで、それを喉で支えようとすると甲状軟骨が上方向に引き上げられ、喉仏が上がってしまう原因になります。
深い呼吸は、横隔膜を使って下方向にしっかり息を吸うことで、喉に余計な力をかけずに発声を支える土台をつくります。
その結果、声が安定し、喉仏を過度に動かさずに自然なポジションでキープすることが可能になります。
深い呼吸を身につけることで、喉の緊張を抑え、高音でも無理なく響かせる発声につながります。
正しい発声法
誤った発声では、高音を出そうとする際に喉に力が入り、喉仏が上がりやすくなります。
正しい発声とは、息の流れを止めず、声帯が無理なく振動できるように支える呼吸と共鳴のバランスが取れている状態です。
特に丹田を意識した呼気のコントロールにより、喉に頼らずに声を支えることができ、喉仏の無駄な上下動を防ぎます。
また、共鳴腔(口腔・咽頭腔)の使い方を工夫することで、喉を締めずに響きを高めることが可能です。
正しい発声法を習得することで、喉仏を過度に引き上げる必要がなくなり、安定した高音が出しやすくなります。
喉仏が上がらないようにするボイストレーニング
鏡を使った練習
喉仏が上がらないようにするためには、「鏡を使った練習」が非常に有効です。
鏡の前に立ち、自分の喉仏の位置を視覚的に確認しながら発声することで、無意識のうちに喉仏が上がってしまう癖に気づくことができます。
発声前のリラックスした状態で喉仏の位置を確認し、その位置ができるだけ動かないよう意識しながら、ゆっくりと音を出していきます。
特に高音を出す際に喉仏が上がっていないか、鏡で確認しながら練習することで、力みのない発声へと導くことができます。
この視覚的なフィードバックにより、身体感覚だけでは気づきにくい喉の動きを正確に把握でき、発声時の筋肉の使い方を調整しやすくなります。
日々のトレーニングに鏡を取り入れることで、喉仏を安定させる発声習慣が身につきます。
顎の下を指で押しながら練習
喉仏が上がらないようにするためのボイストレーニングとして、「顎の下を指で軽く押しながら練習する方法」が効果的です。
この練習は、喉仏が不必要に上がるのを物理的に制限し、正しい発声時の筋肉の使い方を身につけるために行います。
具体的には、あごの下、喉仏の少し下あたりに人差し指を軽く当て、発声中にその指が押し上げられないように意識します。
この時、無理に押さえつけるのではなく、「喉仏を上げずに発声する感覚」を身体に覚えさせることが目的です。
この練習により、喉周辺の過剰な力みを避け、丹田や横隔膜による呼気の支えを使った発声が自然と身についていきます。
高音時でも喉仏を安定させたまま発声する感覚を養うための、シンプルで効果的なトレーニングです。
ウイスパーボイスの練習
ウイスパーボイスとは、声帯を完全に閉じず、ささやくように息を多く含んだ声で発声する方法です。
この練習では、喉に余計な力を入れずに発声することが求められるため、喉仏が自然な位置で安定しやすくなります。
強く出そうとすると喉仏が上がる原因になりますが、ウイスパーボイスでは声量を抑えることで、力みを最小限にとどめる感覚を養うことができます。
また、ウイスパーボイスを使って高音やフレーズを練習することで、喉に頼らない息のコントロールや共鳴腔(口腔・咽頭腔)の使い方が身につきます。
声帯の過度な緊張を避けながら、柔らかく響く声の基礎をつくるために有効なトレーニングです。
ハミング
喉仏が上がらないようにするボイストレーニングの一つに「ハミング」があります。
ハミングとは、口を閉じたまま鼻から音を響かせる発声法で、喉への力みを抑えながら共鳴を意識できる練習として有効です。
この練習では、声を出す際に無理な息の圧力や喉の動きを使わずに音を響かせるため、喉仏が自然な位置で安定しやすくなります。
ハミング中に喉仏が動くと音が詰まったり響きが濁ったりするため、響きの変化から喉の使い方を客観的に確認することも可能です。
また、口腔・咽頭腔を中心とした共鳴の感覚を養うことができ、喉を締めずに響かせる習慣が身につきます。
毎日のウォーミングアップとして取り入れることで、喉仏を安定させたまま声を出す基礎が整います。
ヘッドボイスの練習(裏声)
喉仏が上がらないようにするためのボイストレーニングとして、「ヘッドボイス(裏声)の練習」は非常に有効です。
裏声は、声帯の振動を軽く保ちながら共鳴腔(口腔・咽頭腔)に響きを集める発声法で、喉に過度な力をかけずに声を出す感覚を養うことができます。
この練習では、高音を出す際に喉仏を無理に引き上げる必要がないため、自然と喉仏が安定しやすくなります。
また、息の流れを止めずに響きを上方向へ導くことで、喉ではなく身体全体の支えで声をコントロールする習慣が身につきます。
ヘッドボイスの練習を継続することで、喉に頼らない発声ができるようになり、高音でも喉仏を動かさずに安定した声を出す基礎が整います。
高い声で喉仏が上がらなくなる5つのボイストレーニングまとめ
高い声を出すと喉仏が上がってしまう現象は、多くの人に共通する悩みですが、正しいトレーニングを積み重ねることで確実に改善できます。
本記事で紹介した5つのボイストレーニング――鏡を使った練習、顎下を指で押さえる方法、ウイスパーボイス、ハミング、そしてヘッドボイス
いずれも喉に頼らず、呼吸や共鳴腔(口腔・咽頭腔)を活かした発声の基礎を整えるものです。
これらを日常的に継続することで、喉仏の安定が習慣化され、高音でも力みにくい発声が可能になります。
一時的な対処ではなく、長期的に喉に優しく、美しく響く声を育てるための確かなステップとして、ぜひ継続的に取り組んでみてください。
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