「最近、カラオケで音程が定まらず、うまく歌えなくなった」「若い頃は楽に出ていた高音が出しづらくなった」「歌を続けたいけど、年齢を考えるともう難しいのでは?」

そんな不安や戸惑いを感じるシニア世代の方は少なくありません。

年齢とともに声の悩みが増え、「高い音が出づらい」「音程がすぐブレる」「最後まで伸びやかに歌えない」といった声もよく聞かれます。

このとき「もう年齢だから…」と諦めてしまう方も多いのですが、本当にそれだけが原因でしょうか?

実際は、音程の不安定さには、身体・耳・心など複数の要素が関係しており、正しい方法で見直すことでシニア世代の方でも十分な改善が可能です。

本記事では、音程が不安定になる根本的な原因、シニア世代の方ならではの“身体と心”の特徴、具体的な改善トレーニング、続けるためのコツ・誤解への対処を専門的な視点から解説します。

“シニア世代の方こそ歌の楽しさを取り戻せる”――そんな希望につながる情報をお伝えします。

 

目次

音程不安定の主な原因:4つの視点から

音程がぶれる、音が滑る――その理由は決してひとつではありません。

ここでは、特にシニア世代の方に目立つ4つの視点から原因を掘り下げます。

① 呼吸と支えの弱さ

年齢とともに腹筋や横隔膜などの呼吸筋が弱くなり、息を長く保ったり、一定の圧力で吐き続けたりする力が落ちます。

そのため、息の流れが途中で止まったりムラが出たりして、声帯の振動が不安定になります。

結果、声が揺れる・音程がぶれる原因となります。

加えて、「高音で力む」「喉だけで押し出す」クセが強まると、さらに不安定さは増します。

改善の一歩:簡単呼吸リセット法

鼻からゆっくり吸い、口から細く長く吐く。

丹田(おへそ下)を意識しながら、吐く時間を10秒以上目標に。

この練習を朝晩2~3回ずつ続ける。

息を長く吐く力が戻ることで、発声時の安定感が生まれます。

② 姿勢・体幹の影響

シニア世代の方で特に目立つのが「猫背」「前屈み」などの姿勢の崩れです。

この状態では肺が十分に膨らまず、横隔膜や体幹の筋肉も正しく使えません。

結果として浅い呼吸しかできず、支えのない声になってしまい、音程が不安定になります。

改善の一歩:椅子でできる姿勢リセット

椅子に座り、骨盤を立てて座面にしっかり両足をつける。

背筋を軽く伸ばし、首を長くする意識。

両手を膝の上に置き、肩の力を抜く。

この姿勢で深呼吸し、身体の“軸”を意識することで、呼吸も自然と深まります。

③ 耳と声のズレ

加齢によって聴覚や“音感”の衰えも少しずつ進みます。

ただし「耳が悪いから音程が外れる」と決めつけるのは早計です。

ポイントは、自分の声を“聴く力”と“出す力”のズレです。

耳がとらえた音と、実際に出している声の高さがズレてしまうことで、音程が安定しなくなります。

改善の一歩:自宅でできる「ド⇄声ハミング」

ピアノアプリや音叉で「ド」の音を出し、それを真似て「んー」とハミング。

出した自分の声をスマホで録音して再生し、実際の高さを聴く。

毎日数分、意識的に続ける。

「聴く・出す・確かめる」の繰り返しで、音程コントロールが磨かれます。

④ メンタル(緊張・集中の乱れ)

意外に見落としがちなのが、「心」の状態です。

緊張や不安があると、呼吸が浅くなり、筋肉もこわばりやすくなります。

また、「歌詞や音程に集中しすぎる」と呼吸を忘れがちになり、結果的に音程も安定しません。

改善の一歩:呼吸・意識リセット

歌い出す前に3回、深呼吸。

歌うときは遠くの景色や1点を見て、余計な力を抜く。

“今この一音”だけに意識を向けて、他は考えすぎない。

呼吸と意識のリセットで、心身ともに安定感が生まれます。

 

シニア向け・改善トレーニング集

原因が分かれば、あとは日常で続けられるシンプルなトレーニングを積み重ねることがカギです。

ここでは【呼吸・姿勢】【耳・音程】【心・リズム】の三方向から、誰でもできる改善法を紹介します。

A. 呼吸と姿勢を整えるエクササイズ

立ったまま1分深呼吸+姿勢整え

足を肩幅に開き、軽くひざをゆるめる。

おへそ下(丹田)に軽く手を当てる。

鼻からゆっくり息を吸い、背筋を自然に伸ばす。

口から細く長く息を吐く。

吐きながら、背中や腰もふわっと広がるイメージ。

これを1分×朝晩2回だけでもOK。

呼吸キープして「あー」とロングトーン

深呼吸後、「あー」と小さめの声で10秒以上伸ばす。

無理に大きな声でなく、息を途切れさせず続ける。

声の高さや大きさがブレないよう注意。

この2つを習慣にすることで、支えと安定感のある発声が身につきます。

B. 耳と音程を合わせるトレーニング

ピックアップした「ド」をハミングでキープ

スマホやピアノアプリで「ド」の音を出す。

「んー」とハミングで同じ高さを狙う。

合っているか不安な場合は録音して再生。

低い音や無理のない高さでOK。

難しければ「ラ」や「ミ」など自分の出しやすい音で行っても良いです。

ピアノアプリと自分の声を録音で比較

「ドレミファソファミレド」と順番にアプリで鳴らす。

それに合わせて自分の声で歌い、録音。

再生してみて、音の揺れ・外れをチェック。

自分で確認する習慣が、音感と声の一致に繋がります。

C. 心理リズムを整える簡単ルーチン

歌い出し前に3回深呼吸+目線を定点に

歌う前に3回、ゆっくり深呼吸。

歌詞や音程を「完璧にしよう」と思い詰めず、少し肩の力を抜く。

歌いながら視線を定点(窓の外、壁の一点など)に固定。

これで、緊張による呼吸の浅さを防げます。

歌詞の流れに「呼吸=無理のない間隔」を合わせる

歌詞カードや譜面に、息継ぎの場所を記号(/など)でマーク。

歌の途中で苦しくならないよう、短めのフレーズでもこまめに息を入れる。

長いフレーズの前は、特に意識して息を準備。

計画的な呼吸で、安定した声を保つリズムを作ります。

 

進め方のコツ:継続しやすい習慣化

トレーニングは「やった方がいい」と思っても、継続がなにより難しいものです。

シニア世代の方が無理なく続けられるコツを押さえましょう。

1. 1日5分以内、合計15分でOK

全てを一度に行う必要はありません。

朝・昼・夜に5分ずつなど、細切れで取り入れると長続きします。

2. 録音&聴き直しで進捗を自己確認

自分の声をスマホで録音し、週に1回でも良いので聴き返しましょう。

「最初よりブレが少なくなった」「声の張りが戻ってきた」など、小さな変化に気づけるとモチベーションも維持しやすくなります。

3. 好きな曲・仲間と一緒に

トレーニング自体が“楽しい”と感じられる工夫も大切です。

好きな曲や思い出の歌で練習したり、家族や友人と一緒にチャレンジすると気分転換にもなります。

 

よくある誤解とその対処法

「耳が悪い=音程が取れない」は誤認

確かに加齢で聴力は落ちますが、音程のズレは“耳”だけでなく“声を出す側”にも原因があります。

自分の声を聴き直し、出し直すトレーニングを重ねれば、年齢に関係なく音程は安定します。

「喉だけで歌えばいい」は逆効果

声帯や喉にばかり頼ると、逆に声が揺れやすくなります。

必ず「呼吸」「姿勢」「体幹」から見直しましょう。

「年だから無理」「大きな声で訓練」も誤解

年齢に関係なく、トレーニング次第で改善は十分可能です。

また、大声を出すことが練習ではありません。

まずは安定した小さな声から始めましょう。

 

まとめ:呼吸+姿勢+耳+心を整えれば、音程は戻る

音程の不安定さは、単なる「年齢のせい」だけではありません。

呼吸・姿勢・耳・心――これらがバランス良く整ってこそ、安定した歌声は戻ってきます。

まずは毎日の呼吸エクササイズ、簡単な姿勢リセット、耳と声を一致させる録音トレーニング、心理的に余裕を持つルーチンを「小さな習慣」として取り入れてみてください。

続けるうちに「歌うのがラク」「声が戻ってきた」と感じられる瞬間が増えていきます。

音程の安定が戻れば、歌うことがまた楽しくなり、自信も自然に湧いてきます。

シニア世代の方こそ、今できる一歩を大切に――あなたの声の変化を、ぜひ楽しんでください。

 

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