カラオケで思うように声が出ないと、「もう年齢のせいだから仕方がないのでは」と不安になる方は多いものです。
そうした声の変化を感じると、加齢によるものだから、もう元には戻らないのではないかと感じてしまいやすくもなります。

ですが、カラオケで声が出にくくなる原因は加齢だけではありません。
声は呼吸と喉の連動によって生まれるため、その連動がうまくいかなくなると、年齢に関係なく声は出しにくくなります。
逆に言えば、今の声の出し方を正しい出し方へ見直せば改善の方向へ進める可能性は十分にあります。

この記事では、カラオケで声が出ない原因は加齢ではなく、別のところにある事を分かりやすく解説します。
そのうえで、カラオケで声が出ない状態から改善へ導く方法、そしてシニアの方でも無理なく始めやすいボイストレーニングまで順を追ってに解説していきます。

 

カラオケで声が出ない主な原因

カラオケで声が出にくくなる原因は、加齢だけではありません。
確かに年齢を重ねると体は変化しますが、声が出ない理由が加齢だけで決まるわけではありません。

声は、呼吸と喉の連動によって生まれます。
この呼吸と喉の連動がうまくいかなくなると、声が弱くなったり、喉に力が入って歌いにくくなったりします。久しぶりにカラオケで歌った時に声が出にくいと感じるのも、呼吸と喉の連動が崩れていることが関係している可能性があります。

シニア世代の方は、声が出にくくなると年齢のせいだと思いがちです。
しかし実際には、加齢そのものよりも、歌う時に呼吸と喉の連動がうまくできなくなっていることが大きく関わっている場合があります。だからこそ、年齢だけを理由に諦める必要はありません。

大切なのは、喉だけを何とかしようとするのではなく、呼吸と喉の連動という声の仕組みを見直すことです。次に、カラオケで声が出にくくなる主な原因を見ていきます。

喉だけで歌っている

喉だけで歌おうとすると、声を出すために本来必要な呼吸と喉の連動が崩れます。
声は、息の流れに合わせて喉が自然に働くことで生まれますが、喉だけで何とか声を出そうとすると、この子呼吸と喉の自然なつながりが失われてしまいます。
すると、無理に声を出そうとして、喉に余計な力が入りやすくなります。

喉に余計な力が入ると、喉の中の筋肉の動きも硬くなり、締めつけられたような状態になっていきます。
そうなると、喉の中にある声帯も自由に動きにくくなります。
声帯は、なめらかに動くことで音の高さや声の出方を調整していますが、喉の中の筋肉の動きが硬くなると、思うように音程を取れなくなったり、高い音が出にくくなったりします。

また、喉に余計な力が入ると声そのものもかたくなり、締めつけられたような苦しそうな声になりやすくなります。この状態では、出したい声を自然に出すことが難しくなるため、ますます喉で無理に出そうとしてしまい、さらに力が入るという悪い流れにもつながります。

つまり喉だけで歌おうとすると加齢とは関係なく、呼吸と喉が連動しなくなり、声が出しにくくなるのです。

息の流れの不安定さ

声が出にくくなる原因は、息の流れが不安定になっている事も考えられます。
年齢を重ねると、息を吐く呼吸筋は動きにくくなりやすいです。
呼吸筋が動きにくくなると、歌う時に息が途中で弱くなったり、反対に一気に出過ぎたりして、息の流れが不安定になります。
久しぶりにカラオケで歌うと、思ったより声が乗らない、すぐ苦しくなると感じるのはこのためです。

本来、声は呼吸と喉が連動することで自然に出ます。
ところが、息の流れが不安定になると、この連動がうまくいかなくなります。
呼吸筋が動かず息の流れが不安定なまま喉だけで声を出そうとすると、声帯の振動も安定しにくくなります。
その結果、声の響きが弱くなり、声量が出ない、高い音が苦しい、すぐにかすれるといった形で、カラオケで「声が出ない」と感じやすくなります。

つまり、これは単純に加齢だけの問題ではありません。
呼吸筋が十分に働かず、呼吸と喉が連動していない事が、声の出にくさにつながっているのです。

緊張やストレスによる喉に余計な力が入る

シニアの方がカラオケで声が出ないと感じる原因には、加齢だけでなく、緊張やストレスもあります。とくに人前で歌う場面では、「間違えたくない」「うまく歌わないといけない」と意識しやすく、その気持ちが強くなるほど、体に余計な力が入りやすくなります。

このとき力みやすいのが、首や喉まわりです。首や喉まわりが硬くなると、息が自然に流れにくくなります。
すると、呼吸と喉がうまく連動しにくくなり、声を出す動きがばらつきやすくなります。

声は、喉だけで作るものではありません。
息の流れが安定し、その流れに合わせて喉が自然に働くことで、声は出しやすくなります。
ところが緊張が強いと、息の流れが浅くなったり止まりやすくなったりして、喉だけで何とか声を出そうとしやすくなります。その結果、声帯の振動が不安定になり声が出しにくいと感じやすくなります。

たとえば、普段はもう少し楽に歌えるのに、誰かの前で歌うと急に高い声が出にくくなることがあります。
これは喉そのものが急に悪くなったというより、緊張で体が固まり、息の流れと喉の動きが連動しにくくなっている状態と考えたほうが分かりやすいです。

原因別の見え方や対処の方向性は ご高齢者の方が声がかすれる原因と改善方法 にまとめています。

 

カラオケで声が出ない改善は呼吸を整える事から

カラオケで声が出にくくなると、喉が弱くなった、加齢のせいでもう仕方がない、と考えてまいがちですが、声が出ない原因の本質はそこではありません。

もちろん、年齢とともに体は変化します。しかし、だからといって声が出にくい理由が加齢だけで決まるわけではありません。
カラオケで声が出にくくなる原因の本質は呼吸と喉が連動しなくなっている事です。
もともと声は、呼吸と喉の連動によって生まれます。
なのでカラオケで声を問題なく出せるようにするにはカラオケで歌う時に呼吸と喉の連動を回復させる事が重要になります。

そして改善の入り口になるのが、呼吸を整えることです。
なぜなら喉を意識的に直接トレーニングしようとしても、喉はとても複雑に働くため、一つずつ意識して整えるのは現実的ではありません。
しかも、喉に意識が集まりすぎると、かえって力みが強くなり、声が出しにくくなることもあります。

その点、呼吸筋は比較的意識しやすく、喉から離れたところから整えられるため、喉に意識が集中しにくいという良さがあります。だからこそ、改善の入り口としては呼吸から見直すのが自然です。

まずは丹田を意識した呼吸のトレーニングで息の流れを安定させていくことで、呼吸と喉の連動も整いやすくなり、声も出しやすい方向へ向かいやすくなります。
そして呼吸トレーニングの第一歩は丹田を意識したトレーニングです。
以下で丹田のトレーニングの効果を詳しく解説します

丹田とは

呼吸と喉の連動を回復させるには丹田のトレーニングが入り口になります。
そして丹田のトレーニングするには、まず「丹田」とは何かを理解することが大切です。
丹田とは、おへその少し下あたりに位置する体の中心を意識するポイントのことです。
この場所を意識すると、呼吸に関わる筋肉が働きやすくなり、息の流れが安定しやすくなります。
丹田を意識することで、体の内側から声を支える感覚が生まれ、声の安定につながります。
つまり、丹田は、息を吐く筋肉が働きやすくなり、息の流れが安定しやすくなる土台です。

丹田トレーニングの効果

声は、呼吸と喉の連動によって生まれます。
そのため、呼吸が浅く不安定になると、喉だけで何とか声を出そうとしやすくなります。
すると、喉に余計な力が入り声が出しにくい状態が起こりやすくなります。
丹田を意識した呼吸のトレーニングは、この崩れた状態を立て直す入り口になります。

呼吸が安定すると、喉だけにで声を出す必要が減るため、呼吸と喉の連動も整いやすくなります。
つまり、丹田トレーニングの大きな効果は、喉だけに頼らず声を出しやすい状態を作ることにあります。

さらに、息の流れが安定すると、声帯の振動や声の響きも安定します。
その結果、以前より楽に歌いやすくなります。
高い声を出そうとすると喉が苦しくなる方でも、呼吸の支えが整ってくると、喉が楽になり声が出しやすくなります

声を支える感覚の作り方は ご高齢者の方の声が小さい原因と改善 | にも詳しく載せています。

 

シニア向けボイストレーニングの例

改善のボイストレーニングで大切なのは、何をするかよりも、まずボイストレーニングの順番です。
順番を間違えると、せっかくボイストレーニングをしても効果が出にくいだけでなく、かえって声の状態を悪くしてしまうことがあります。

特に、いきなり喉の使い方から何とかしようとすると、喉に意識が集まりすぎて力みやすくなります。
だからこそ、改善では喉から離れたところから始めることが大切です。

喉から離れたところから整えて、呼吸と喉の連動を立て直していく必要があります。
この順番を守ることが、無理なく声を出しやすくするための第一歩です。
ここで改善につながるボイストレーニングの例をご紹介します。

1. 準備運動(姿勢とリラックス)

発声の前に行う準備運動は、声を出しやすくするための大切な準備です。
まずは立ち姿勢で足裏全体をしっかりと床に感じ、体重を左右均等にかけます。
このとき、膝を軽く緩めておくと体の重心が安定し、息の流れが安定しやすくなります。

次に、肩の力をふっと抜き、顎まわりの緊張をゆるめることで、喉が自然に開いていきます。
体のどこか一部に力が入っていると、声も硬くなってしまうため、全身を軽く揺らすようにして喉に余計な力を抜くのが理想です。
さらに、歌う前に息をゆっくり吐く動きを数回行うことで、息の流れと心が整い、リラックスした状態で発声に入ることができます。
こうした姿勢と息の流れの整え方が、シニアの方にとっても喉に優しい発声の第一歩となります。

2. 丹田を意識して息の流れを安定させる

発声の土台となるのが、丹田を意識した息の流れの安定化です。
丹田とは、おへその少し下あたりにある体の中心のことで、ここを意識することで息の流れが安定します。
声を出す際に息の流れが強すぎたり弱すぎたりすると、声帯の振動が乱れ、声が不安定になります。

しかし、丹田を支えにして息の流れを安定させると、息の流れが途切れずに流れ、声帯の動きが整いやすくなります。
このとき大切なのは、息を「出そう」とするよりも、「自然に流し続ける」感覚を持つことです。

丹田のあたりに意識を置いたまま、息の流れを途切れさせずに吐き続けると、喉に余計な力をかけずに安定した声を出せます。丹田を中心に呼吸を整えることで、声の響きや持続力が向上し、無理のない発声につながります。

3. 丹田を意識して歌う

丹田を意識して歌うのは、前の段階で行った丹田トレーニングを、実際の歌声につなげるための練習です。
呼吸の練習だけで終わらせるのではなく、整えた呼吸を歌う時にも使えるようにしていくことが大切です。

この時、最初から難しい曲で練習する必要はありません。
まずは簡単な曲から始めて、丹田を意識しながら歌う感覚をつかむことが大切です。
難しい曲は音程やリズム、高さに意識が向きやすく、喉で頑張ってしまいやすいからです。
最初は無理なく歌える曲で、喉ではなく丹田を意識して歌うことを優先した方が、練習の意味がはっきりします。

簡単な曲で慣れてきたら、少しずつ難しい曲でも丹田を意識して歌えるか試していきます。
ここで大切なのは、上手く歌えるかどうかを急いで判断することではありません。
難しい曲でも喉だけに頼らず歌えるかを確かめながら、少しずつ歌える範囲を広げていくことです。

こうした練習を繰り返すことで、丹田を意識して歌う感覚が少しずつ身についていきます。
すると、呼吸と喉の連動も安定しやすくなり、カラオケで声が出ない状態も改善しやすくなります。
だからこそ、無理に難しい曲から始めるのではなく、簡単な曲から段階的に進めていくことが大切です。

カラオケを楽しみながら取り組む流れは シニア向けカラオケ教室で楽しく健康に!歌うことのメリットと上達のコツ | が参考になります。

 

まとめ

カラオケで声が出にくくなると、「加齢のせいだから仕方がない」と感じてしまいやすいものです。
ですが、声が出にくくなる原因の本質は加齢ではありません。
実際には、息の流れが不安定になったり、緊張で喉に余計な力が入ったりして、呼吸と喉の連動がうまくいかなくなることが大きく関わっています。声は、喉だけで作るものではなく、呼吸と喉が自然に連動することで生まれます。
そのため、改善を目指す時も、まずは呼吸を整えることが大切です。

とくに丹田を意識した呼吸のトレーニングは、息の流れを安定させ、喉だけに頼らず声を出しやすい状態を作る入り口になります。
また、練習は順番も重要です。
姿勢や力みを整え、丹田を意識して息の流れを安定させ、そのうえで簡単な曲から無理なく歌につなげていくことで、呼吸と喉の連動は少しずつ整いやすくなります。
年齢を理由に諦めるのではなく、正しい順番で見直していけば、シニアの方でも声は改善の方向へ進んでいけます。大切なのは、喉を頑張らせることではなく、呼吸から声の土台を整えることです。

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