「がんばって声を出しているのに、どうしても響かない」「高い声になると力んでしまう」
「長く歌っているとのどが痛くなる」――そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実はその原因、声の出し方の“土台”にあるかもしれません。
多くの方が見落としがちなのが「丹田(たんでん)」の使い方です。
丹田は、おへその下にある体の中心で、発声のエンジンのような役割を担っています。
正しく丹田を使うことで、声の響き・安定感・声量までもが大きく変わってくるのです。
この記事では、ボイストレーニング指導者として多くの生徒さんと向き合ってきた経験をもとに、「丹田を使うと声はどうなるのか?」をやさしく、わかりやすく解説していきます。
今の声に少しでも不安や悩みがある方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
声の生まれる仕組みと丹田の影響
声は、声帯というノドの中にある小さなヒダが、ふるえることで生まれます。
その声帯をふるわせているのが「息」です。息は肺から出てきます。
肺から出る息の量が多いと、しっかりとした大きな声になります。
反対に、息が少ないと、か細くて弱い声になってしまいます。
では、どうすればたくさんの息を出せるのでしょうか?
そこで大切になるのが「丹田(たんでん)」です。
丹田とは、おへその少し下あたりにある体の中心のことです。
この丹田に力を入れると、体の内側にグッと上向きの力が生まれます。
すると、肺が下から押し上げられて、息が自然に上へ出ていきます。
強く押し上げられるほど、息の量も増えていきます。
息の量が増えると、声帯のふるえも大きくなり、しっかりした声が出ます。
イメージとしては、マヨネーズのチューブを下からギュッと押すような感じです。
力の入れ方ひとつで、声の出方も大きく変わるんですね。
歌で丹田を使うメリット5つ
①声が枯れにくくなる
歌を歌っていると、たくさん声を出すので、のどに負担がかかることがあります。
その結果、声がかれてしまったり、出にくくなったりすることもあります。
でも、「丹田(たんでん)」という体の中心をうまく使うと、声がかれにくくなるのです。
丹田は、おへその下にある場所で、ここに力を入れると体の中に安定した力が生まれます。
この力が息をしっかりとコントロールしてくれるのです。
のどだけで無理に声を出そうとすると、声帯というノドのヒダに大きな負担がかかってしまいます。
でも、丹田を使って息の力で声を出すようにすると、のどの力に頼らずにすみます。
その結果、声帯にかかる負担がぐっと減り、声がかれにくくなるのです。
まるで、自転車をこぐときに足だけでがんばるより、全身のバランスを使ってスムーズにこいだ方が楽なのと同じです。
歌を長く楽しむためにも、丹田を使った歌い方はとても大切です。
②喉頭が上がりにくくなって高音が出しやすくなる
高い音を出そうとするとき、がんばりすぎてノドに力が入ってしまうことがあります。
すると「喉頭(こうとう)」というノドの中にある部分が上にグッと上がってしまいます。
喉頭が上がると、声の通り道がせまくなってしまい、高い音が出にくくなるのです。
でも、「丹田(たんでん)」を使うと、この喉頭が上がりにくくなります。
丹田は、おへその下にある体の中心です。
ここに力を入れて息をしっかり下から使うと、体全体が安定します。
するとノドまわりの筋肉にもムダな力が入りにくくなり、喉頭も自然に落ち着いたままの位置に保たれます。
喉頭が安定すると、声の通り道が広がり、高い音もムリなく出しやすくなります。
無理にノドだけでがんばらなくても、丹田を使えば体の下からしっかり声が出せるので、きれいな高音が出るようになるのです。
だからこそ、歌うときには丹田を使うことがとても大切なのです。
③声帯の振動数が上がって声量が上がる
声は、ノドの中にある「声帯」というヒダがふるえることで出てきます。
この声帯をふるわせているのは、肺から出てくる「息の力」です。
息の力が強くなると、声帯はしっかりと大きく、そして速くふるえるようになります。
このふるえの速さのことを「振動数」と言います。
振動数が上がると、声がよく響くようになり、「声量」、つまり声の大きさも自然と大きくなります。
では、どうすれば息の力を強くできるのでしょうか?
そこで大切なのが「丹田」です。丹田は、おへその下にある体の中心の場所です。
丹田に力を入れると、体の内側から息がしっかり押し出されます。
この強い息が、声帯をしっかりふるわせる力になります。
つまり、丹田を使えば、息の力が強くなり、声帯の振動数が上がって、声も大きくハッキリしてくるのです。
歌で気持ちをしっかり届けたいとき、丹田を使った発声はとても役に立ちます。
④声量のコントロールが可能になる
歌をうたうとき、「大きな声」と「小さな声」を自由に使い分けられると、気持ちがしっかり伝わります。
このように声の大きさを上手に変えることを「声量のコントロール」と言います。
この声量のコントロールに役立つのが「丹田」です。
丹田は、おへその下にある体の中心で、呼吸の力をコントロールする場所でもあります。
声は、肺から出た息が声帯をふるわせることで生まれます。
息の強さを変えることで、声の大きさも変わります。
丹田に力を入れて息を出すと、強くも弱くも、自分の思い通りに息の量を調節できるようになります。
その結果、声も自然と自由に大きくしたり、小さくしたりできるようになるのです。
ノドだけに頼ると、うまく調整できなかったり、すぐに疲れてしまいます。
でも、丹田を使えば、体全体で息をコントロールできるので、楽に、そして正確に声量を変えられるのです。
歌で気持ちを表現するには、この「声の強弱」がとても大切。
だからこそ、丹田を使った発声は、歌をもっと豊かにしてくれるのです。
⑤声が安定する
歌をうたっているとき、声がふらふらしたり、出しにくくなったりすることがあります。
これは、息の出し方やノドの使い方が安定していないときに起こります。
そんなときに大切なのが「丹田」です。丹田は、おへその下にある体の中心の部分で、呼吸の土台になるところです。
声は、肺から出た息がノドの中にある声帯をふるわせることで生まれます。
息の出る力が弱かったり、バラバラだったりすると、声もグラグラして安定しません。
でも、丹田に力を入れて息を出すと、息の強さやスピードをコントロールできるようになります。
その結果、声帯がしっかりとふるえて、声もまっすぐ、安定して出るようになるのです。
たとえば、自転車をこぐときに体がグラグラしているとまっすぐ進めませんよね。
でも、体の中心がしっかりしていれば、安定してこげるようになります。
歌もそれと同じで、丹田を使って体の土台を安定させれば、声もぶれずにきれいに出るのです。
だから、丹田を使うことは、とても大きな助けになるのです。
丹田の動きが正しいか間違っているか確認する方法
先日のレッスンで、ある生徒さんの「丹田(たんでん)」の使い方を見直しました。
丹田とは、おへその下にある体の中心の場所で、歌うときの声の土台になります。
正しく丹田を動かすと、体の中で力の流れが生まれます。
たとえば、丹田に力が入ると、上の方にはめくり上がるような力が伝わり、同時にお尻のあたりも内側に軽く引きこまれるような動きになります。
ところが、その生徒さんの体の使い方を見てみると、丹田は意識できていたものの、
お尻が外側にポコッと出る「出尻(でじり)」の状態になっていました。
このようにお尻が外側に動いてしまうと、丹田がしっかり動いているように見えても、実はお尻だけが動いてしまっている場合があります。
つまり、丹田を使っている“つもり”でも、実際には丹田の力が体全体にうまく伝わっていないのです。
本来、正しい体の使い方は「丹田が動く → お尻が自然とついてくる」という順番です。
お尻を無理に動かそうとするのではなく、丹田に力を入れた“結果として”お尻が少し内側に引きこまれるような感覚になるのが理想です。
私の感覚では、丹田に力を入れると、その力が体の中を伝わって、自然とお尻のほうにも動きやエネルギーを感じます。
でも、出尻の状態では、そのような力の伝わり方にはならず、かえってバランスがくずれてしまいます。
今回の生徒さんも、丹田の動きを修正してからは、「声がとても出しやすくなった」とおっしゃっていました。
このように、体の正しい動き方が声にも大きく影響するのです。
大切なのは、「丹田 → お尻」という順番で力の流れを感じることです。
そうすることで、体の内側からしっかりと声を支えることができ、より自然で安定した発声ができるようになります。
丹田を使っているのに高音が出ない原因
ある日のレッスンで、生徒さんが「丹田を使っているのに高い声が出ません」と話してくれました。
そこで私は、その生徒さんが高い音を出すときに、本当に丹田を使えているかを確認してみました。
すると、高い音を出すときに、丹田の動きがとても弱くなっていることが分かりました。
生徒さん自身は「使っているつもり」だったのですが、実際にはしっかりと使えていなかったのです。
そこで私は、「高い音を出すときは、もっと丹田に力を入れてみましょう」とアドバイスしました。
そのとたん、生徒さんは「高音が出ました!」と、うれしそうに声をかけてくれました。
これはとても大事なポイントです。
自分では丹田を使っているつもりでも、力の入れ方が足りなければ、しっかりとした効果は得られません。
特に、ボイストレーニングを始めたばかりの人は、「どのくらい力を入れたらいいのか」がまだよく分からないことが多いです。
丹田は、声の力がたくさん必要な場面では、強くしっかり使う必要があります。
その「声の力が必要な場面」とは、たとえば次のようなときです。
声を大きく出したいとき(声量)
長く声をのばすとき(ロングトーン)
高い音を出すとき(高音)
今回の生徒さんも、まさにこの「高音」が出しにくかったのですが、
その原因は、丹田を強く使えていなかったことにありました。
丹田は、ただ意識するだけではなく、「場面に応じて効果的に使うこと」がとても大切です。
必要なときに、必要な強さで使えるようになると、声もどんどん出しやすくなります。
声が出しにくいと感じたときは、ぜひ一度、丹田の使い方を見直してみてくださいね。
体験レッスン受付中
体験レッスンのながれ(40分)
体験レッスンは、以下のながれで進めています。
1.ヒアリング(5〜10分)
まずは、ボイストレーニングについてのご要望などをお聞かせください。
ヒアリングでは、以下のようなことをお伺いしています。
- どうして、ボイストレーニングを受けようと思われたんですか?
- どんな声になりたいですか?ボイストレーニングを受けてどんな風になりたいですか?
- なぜ、他にもボイトレ教室がある中で、当教室に興味をお持ちくださったんですか? etc
2.ボイストレーニングを体験(30分)
実際にボイストレーニングを体験していただきます。
体験レッスンのトレーニングメニューは、以下を行なっています。
- 準備運動
- 丹田エクササイズ
- 鍵盤を使って発声練習
- 課題曲「大きな古時計」
3.質疑応答など
ボイストレーニングに対するご要望や、ご質問などをお気軽にご相談ください。
また、当教室についての案内もさせていただいております。
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対面
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3000円(40分間)
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4月22日(火)20時-21時
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